青エクのみの夢書き場

□会いたいね(廉造)
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手が届かなくなった距離になって数か月。



季節は夏。



ミンミンミンと鳴くアイツの嫌いな蝉がよりいっそう煩わしく感じるようになった。
『あ―――、もう。うるさいうるさいうるさい』
暑いと不機嫌になってしまう私はこの季節が嫌いだ。
なので、部屋の中はクーラーが一日中忙しく動いている。



数日前にアイツからメールが届いた。


≪そっちはどない感じ?体調くずしとらん?盆には帰るし、待っとけ。≫

短くてシンプルなメール。
絵文字とかすごく使いそうなのに、私だけにはそんなに使わない。

前、そのことで結構悩んだ。
でも、アイツは言った「俺は、名前と付き合うとるのは本気やから。」

最初は、言ってる意味あんまり分からなかったけど、とにかく本気らしい。


壁に掛けてるカレンダーには、赤い×印。
アイツが明日には帰ってくる。


いつのまにか、蝉の声なんて気にしなくなってた。





早く帰ってこい。

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