カゲプロのみの夢書き場

□セト
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ふわふわ雪が舞う中、私はふわふわな気持ちで白銀の雪を踏んでいた。




今、私は花屋に向かっている。
セトがバイトしている花屋とはまた、別のところ。
どこか森の中にある小さな家みたいな雰囲気の店。
ドアを開けると花の香りがふわっと私を包み込んだ。

「いらっしゃい」
「あ、いらっしゃいませ!」

中に入るとそこには優しそうな50代くらいの男性と私と同じくらいの年の女の子がいた。
店の中は、色とりどりの花が並べられている。

『あの、チョコレートコスモスってありますか?時期じゃないんですけど・・・。』

チョコレートコスモスは8月から10月に咲く花だったはず。
時期が全然違うから無いよね・・・。


「そんな困った顔をしなくても、大丈夫ですよ」
『え・・・?』

男の人が優しい声音で私にそう言った。
そして、チラっと女の子の方をみて頷いた。





『うわぁ!すごい!』
「季節じゃない花も温室で育てているんです。」
『ほんとにチョコレートの香りだぁ・・・!』
「プレゼントですか?」
『あ、はい!包装お願いします!』

チョコレートの香りが本当にすることに感動しながら包装を待つ。

「彼氏さんですか?」
『・・・・えっ!?』

女の子は私の方を見て、ニコニコしながら聞いた。

『ちっ、違います!えっと、チョコ作るのあんまり上手じゃなくてクッキーにしたんですけど、やっぱチョコが良かったかなぁとか思って・・・えっと。』
「それで、チョコレートコスモスを・・・」
『はい・・・。』

いきなり聞かれて、パニックって話が噛みあわなくなってしまった。

「包装終わりました。」
『ありがとうございます。』

想いが伝わるといいですね。と微笑みながら包装の終えたチョコレートコスモスを渡してくれた。



店をでた後、セトのバイト先の花屋さんに向かった。
窓を覗き込むと、爽やかな笑みをこぼしながらお客さんと話してるセトが見えた。
時計の針は、18時28分を指していた。

『あと、2分・・・』

カチカチと進む秒針、その秒針が2週と少し回った頃にセトは出てきた。

「ニックネーム!どうしたんすか?」
『セト!バイトお疲れ様っ!』

うああああ、ドキドキする。
平然を装ってるけど、心臓が口から飛び出しそうだ!

「ニックネーム?大丈夫っすか?顔が赤いっす」
『う、えっと大丈夫だよ。あはは〜・・・。』

どうしよう・・・どのタイミングで渡したらいいの!?
ええい!いけっ!私、今渡すんだっ!

『あ、あのさっ。今日、バレンタインなんだけどさ、えっとクッキー作ってきたんだ!もらってくれる?・・・』
「え?俺にっすか?」
『うん・・・あ、いらなかったらいらないって言っても結構だから!』


・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・断るなら早く断ってよ!?

なにこれ、焦らし?セトってSだっけ・・・

そう悶々としながら待っているとセトが口を開いた。

「ニックネームが手に持ってるのはなんすか?」

クッキー、スルーかよっ!!と、内心思いながら答える。

『っえ、これは、チョコレートコスモス。チョコが作れなかったから、これがチョコ代わりみたいな?』

あは、と笑うとセトは笑いながら私の手からチョコレートコスモスをとった。

「チョコレートコスモスの花言葉知ってるすか?」

ううん、と首を振るとセトは口角を上げながら言った。
「チョコレートコスモスの花言葉は‘恋の終わり’っす。」
『え・・・・』

なんか悲しい感じの花言葉だ。
そんなのを知らずに選んでたなんて・・・私、馬鹿だ・・・。

「まぁ、この言葉は捉え方にもよると思うんすよね。ニックネームは、どう捉えたんすか?」
『私は・・・・悲しい感じだと思った。』

そう俯いて答えたら、セトが不意に抱きしめてきた。

『セ、セト?』

「俺は、・・・俺だったらこう捉えるっす。恋が終わるっていうことは愛が始まるって。」

そう顔を赤く染めながらセトは言った。

『それって、私の想いを受け取ってくれたってこと・・・?』
「そうっす。俺もニックネームが好きっす!」

セトはそう言って、とびっきりの笑顔を見せてくれた。


君とチョコレートコスモス

(セトって、時々甘いセリフ言うよね。あ、あとクッキー)
(ああ、クッキー・・・ドキドキして忘れてたっす)

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