番外編

□本当に怖いものは
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「……で、そこで振り向くとさっきまで後ろにいたはずの女がな……」

「ひぃぃ!!!!」



永倉の部屋でいつものように飲む3馬鹿+龍。
その余興で永倉が話す怪談…



「お前の声にビビるよ!!」

「だって…」

「お前本当にビビリだな龍…」

「だって…」



カラカラと笑う3人を他所に一人震える龍。



「もうだめ…一人でトイレも行けない…新八さん、今日一緒に寝よう?」

「……勘弁してくれ、やっと変な噂も消えてきた所なのに…」

「いつもみたいに斎藤の所に行けば良いだろう?」

「今日からはじめさん大阪行っちゃったし……」

「そういや今日は見かけなかったな、はじめくん。」


深くため息を吐く。



「じゃあ諦めて一人で寝るんだな?」

「……いいよ、尊と寝るから。」



それはけしからんと思う3人。



「でもさ…お前こんなにビビリだけど尊もなのか?」

「そう言えば尊ちゃんに怖い話したこと無いな…」

「…どうだろ?あいつ元々こう言う話興味無さそうだし。」

「お前の姉貴だろ?何かあるだろ?怖いものとか苦手な物とか…」

「さぁ?」



分からないと言う龍。

しかし、気になったら確かめて見たくなるのが人間と言うもので…



「よし、尊ちゃんの怖いものを見つけてみよう!」

「いいね、面白そう。はじめくんも暫くいないことだし。」

「そうと決まれば早速行こうぜ!尊ちゃんの部屋!」


と張り切る永倉と藤堂。



「…斎藤にバレても知らねぇぞ?」

「…尊怒らすと怖いんだよな…」



そしてそれを遠巻きに眺める原田と龍。
しかし、止めない。






*







「……で、ピチャーン、ピチャーンって物音がして目をさますとだな…うっすら開けた視界に飛び込んできたのは暗い部屋で自分を見下ろすように立つびっしょりと濡れた女……」

「「ひいぃぃ!!!!」」



と、再びの永倉の怪談に声を上げたのはやはり龍と……雪村で…
斎藤がいないのを良いことに夜中に尊の部屋に遊びに来ていた雪村。
完全に巻き込まれただけなのだが…

本来の怖がらせる目的だった本人は…



『……で?』



全くビビる素振りはない。


「尊さん…怖くないんですか?」

『この話が?こんな目に見えない非現実的な物よりも生きてる人間の方がよっぽど恐ろしいでしょ?』

「……」



最もな話だ。



第一走者永倉撃沈。



「尊さん、今日ここで寝ても良いですか?」

『良いけど?』

「…俺も。」



尊に引っ付く雪村と龍。



「いや、お前は不味いだろう!」



すかさず突っ込む藤堂に…


「じゃあ平助一緒に寝てくれる?」

「……よし、今日だけな。」



千鶴と同室で寝られるよりは…
そう思い龍と一緒に寝る決意をする藤堂。



さて…尊の怖いものは一体何なのか…



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