マジすか学園2『掲げる拳を下ろすまで…』
□第五話
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「仲間の力か……」
この日、煌羅はいつもの神社で、学ランに言われた一言を思い出していた…。
「…確かに、仲間がやられたら普通…あぁなるよな…。」
―カチッ…
ッフゥー…と晴れ渡った空に向け身体の中のモヤモヤした感じをタバコの煙に込めるように、モワァッ…と吐き出す。
「…あぁぁぁぁッー!!!」
バタン…と縁側に倒れ込む煌羅。
「おいおい大将〜♪お困りかい?」
そう言って一人の男が近づいて来た。
ガチッとした体格に、爽やかな顔…
「…お前、もしかして林太郎か?」
そう言うと男はニコッと頷いた。
「ひっさしぶりだなぁ!帝臨以来だな?」
「だな。大将?俺が卒業してから帝臨辞めたみたいだな?」
「まぁ、家の事情でな。」
「あ、せっかくや。京哉に挨拶していこっかな。」
「あぁ。」
林太郎はスッと立ち上がり、神社の端の石碑に向かいタバコを沿えて手を合わせた。
「そう言えば、林太郎は今何してんだ?」
「……。…よっ…。今か?今は嫁と平和に暮らしてるよッ」
「嫁?…麻衣さんか?」
「ああ♪」
「へぇ〜!おめでとう!!」
ちなみに麻衣さんってのは帝臨時代に林太郎が付き合ってた彼女さん。大島麻衣。林太郎と一緒で、俺の二つ上で当時のマジ女のテッペンだったらしい…。
「まぁ、よろしく言っといてよ」
「大将?また家来いよ!麻衣はお前に会いてえらしいからよ?」
「あぁ。また機会があればな!」
「…っと。それじゃあな!!」
そう言うと林太郎は縁側からスッと立ち上がり真っ直ぐ歩いていく。そして、ふと立ち止まり…
「…独りで抱えんなよ。お前の悪い癖だ。…たまには仲間を頼れ。お前は強い。けど、独りでは限界があるからな。」
じゃっ♪と言って林太郎は去っていった。
「……お見通しってか。…ちぇっ…気持ち悪い」
クスッと笑う煌羅。そして、よっ…と立ち上がった煌羅はスッキリとした表情でマジ女に向かった。