マジすか学園2『掲げる拳を下ろすまで…』
□第九話
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ゲキカラが目を覚ました翌日…
屋上で紙飛行機を折るネズミの後ろに佇むネコがいた…
ヘッドホンから漏れる程の音量でクラシックを流すしながら、織り上げた飛行機を手から離すように飛ばすと、風に乗って安定したように飛び続けている。
そんなネズミを見ているセンターの姿があった。
その視線に気がついたのか、ネズミがゆっくりと後ろを振り返えるとセンターが小さく口を開いた。
「………」
音楽に遮られて声が聞こえないネズミはゆっくりと自身の耳についているヘッドホンを取って首を傾げる。
「……私に何か隠してる事はないか?」
「…何を言い出すんだ?急に…」
突然の言葉に戸惑いを隠すように笑って答えると、センターは更に続けた。
「…私の目を見て答えろ…」
ジッとネズミの目を見つめるセンターにフワリと笑うと、目を合わす事無く横を通り過ぎる際に小さく無いと呟いた。
「……ならいい…最近お前が矢場久根に出入りしてるって噂を聞いてな…」
「私のこと…疑ってるのか…?」
「矢場久根には、何をしに行ってる?」
「……ちょっとね…」
「…?」
「………早いとこ、矢場久根とケリつけないと…ウチらがラッパッパと対決出来ないから…」
ネズミは話を続ける
「それに…シブヤの前田に対する執念は凄くてな…」
「前田とタイマンするのは私だ!!!」
「……マジ女に平和が戻ったら…センター…お前の出番だ…」
そう呟くネズミにセンターは恐る恐る自分の中に秘めたままだった問いかけをネズミにぶつけた。
「……私は、必要とされているのか…?」
「当たり前だ…少なくとも、私には…」
「……信じていいんだな…?」
「ふふっ、失礼な奴だな…ダチの言葉を信じていなかったのか?」
「…ごめん」
そう言ってネズミはニッと笑うとセンターのもとを離れていった。