新テニ§長編
□第四章
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それからの生活は、楽しく過ごせた。
満開だったはずの桜はいつしか葉桜になり、青々しい葉に変わっていた。
至「名無しさんちゃん。あのね…僕、前スポーツのコーチやってるって言ったじゃない?」
『あぁ。言ってましたね。』
至「もうすぐその合宿があるんだ。」
『へぇ〜』
至「でね。その合宿に名無しさんちゃんも来てほしいんだ。」
『ふ〜ん…って。私もですか!?』
至「あ、その、嫌ならいいんだ。」
『ち、ちち違います。驚いただけで、嫌じゃないんです。』
そう。びっくりしただけ。
『至さんの役に立てるなら、やりますよ♪』
至「名無しさんちゃん…ありがとう!僕はこんないい子に出会えて幸せです。」
『いやいや。』
本音を言っただけなのにね。
見ず知らずの子を、住まわせてくれてるんだもん。
恩を技で返すような真似は絶対しない。
至「合宿はあさってなんだ。名無しさんちゃんにはドリンクを作ってもらったり、タオルを配ってもらったりするからね」
『はい!』
至「詳しい事は、合宿所で説明があるから。」
『りょーかいです。』
さぁ…あさってに向けて準備をしなくちゃ。
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