大伴一志の章

□章間〜二人の決意〜
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リビングは私一人から三人になった。

何となく寂しさが薄れた気がした。

テーブルには宗史さんの淹れたお茶が並んでいる。

宗史「それで?何かあったんですか?一志くん。」

宗史さんにそう言われて、一志は観念した様に話を始めた。

一志「さっき、家に電話をしたんだ。」

やっぱり...

でもそれにしても落ち込んでる。

一志「そしたら、俺を知らないって言ってたんだ。」

「えっ!?」

宗史「!!!」

私は一志の話が突拍子もなくて驚いた。

嘘...

そして、急に不安になった。

宗史「一志くん、裕生くんが貴方方を見つけた時は一志くんが朋美さんを守る様にして倒れてたって言っていました。一志くんが朋美さんに近づいたのはどの時ですか?」

私は足元から震えて、指先が急に冷たくなっていく。

「...あの時一志は私を守る様に光の渦の中心に入ってきた。もしかして、その、せい?」

私は一つ一つ思い出しながら、率直に聞いた。

声まで震えている。

その答えを聞くのが怖かったけど、もしそのせいなら、私は聞かなくちゃいけない。

一志も巻き込んでしまったのなら、一志の事も責任を取らなくちゃ...

宗史「光の渦の中心に...。もしかしたら、そのせいかもしれませんね。」

宗史さんは辛そうな顔をしてそう言った。

やっぱり...そうなんだ。

宗史「でも、少しおかしいですね...」

一志「おかしい?」

宗史「本来なら、あの術は術を解放した人に限定して反応する様になっているのですが。」

そう言って宗史さんが首を傾げた。

宗史「例えば“共に解放した”となれば、もしかしたら影響はあったかもしれません。いや、そうなると、術は上手くはいかなくなってしまう筈なのです。それ程術というのは繊細なものなので...。」

それは、私が術を使ったからじゃないって事...?

宗史「朋美さんのせいではないですよ。」

私は思っていたのは事を口にされてドキッとした。

宗史「さっきも言いましたが、あの術は術を解放した本人にしか反応しないのです。何故、一志にも反応したのかは分からないのですが...。それならそれで、もしかしたら元に戻せる方法もあるのかもしれません。」

一志「元に戻す...?」

宗史「ええ、今回の術は規格外の事が起こってしまいました。もしかしたら“時が来ると術が消えてしまう”とか“何か別の術を発動させれば元に戻せる”とか、あるかもしれません。本来ならそういった事はないのですが。」

私は宗史さんの言葉を聞いて安心した。

良かった。

それなら一志は戻れるかもしれないんだね...

宗史「さあ、そろそろ寝ましょうか。もう12時を回ってしまいました。」

私は時計を見てビックリした。

そんな時間が経ってたんだ。

宗史「その方法については私も調べて見ます。あと、一志も一緒に住む場所は何とかしますから、安心してくださいね。」

そう言って宗史さんはにっこり笑ってくれた。









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