大伴一志の章

□第13章
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私達は、一度校舎を出て剣道場へと向かう。

浩輔が先頭を行って、夜刀、私と続いて歩く。

途中、弓道場を抜けて行く。

シュパン!

すると、弓を引く音が聞こえて、見ると誰かが弓を引いてる。

真剣な眼差し...

立ち姿も凄く綺麗...

夜刀「おい、何ボサッとしてんだ?」

そう側で声をかけられる。

夜刀が立ち止まっていた私のところまで戻ってきてくれたみたい。

「ごめん。」

私が謝ると夜刀は弓道場に目を向けた。

夜刀「ああ、大伴一志か。」

「大伴一志?」

夜刀「あいつの名前だよ。隣のクラスで弓道部の部長。全国大会で優勝したってこの前表彰されてただろ?」

大伴一志...?

トクン...

トクン...

私の鼓動が高鳴る。

何だろう?

懐かしいような...

夜刀「何だ?あいつがいいのか?」

「え...?」

夜刀を振り返れば、拗ねた顔をしている。

夜刀「あいつが好きなのかよ?」

「別に、そういう訳じゃないけど」

夜刀「ふ〜ん」

夜刀は冷たく言うと、先に歩いて行ってしまった。

「夜刀!待ってよ〜!!」

私は夜刀を追いかけて剣道場に向かった。







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