大伴一志の章

□第14章
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皆が位置に着くと私は禍津神を呼び寄せる舞を踊る。

この前とは違う。

体の中から溢れてくる力を感じる。

すると黒い力の塊が現れる。

禍津神だ。

次第にそれは大きくなり、巨樹へと姿を変えた。

一志の姿はしていない。

きっと一志は完全に禍津神とは別の存在になったんだと思った。

「禍津神...。今度こそ浄化します。」

私は浄化する為の準備に入る。

すると、巨樹となった禍津神が震える。

地鳴りがして足元が重つかない。

でも負けない!

巨樹の前に大きな力の塊が現れ私へと向かってくる。

浩輔「守護方陣!!」

浩輔の声が聞こえて私を守ってくれる。

「浩輔!」

浩輔「大丈夫だ!」

浩輔は魔と戦いつつも私を守ってくれる。

私は再び浄化に集中する。

少しずつ...、少しずつ...。

私は強大な力を持つ禍津神の根源を少しずつ浄化していく。

けど、禍津神も負けていられないのだろう、また私への攻撃をする。

宗史「朋美さん!」

すると今度は宗史さんが私の前に立って禍津神の力を鏡で跳ね返してくれる。

宗史「大丈夫、そのまま続けてください。」

私は宗史さんに頷き返して、浄化する。

しばらくすると裕生くんが宗史さんのところに来た。

裕生「宗史、魔が...」

その言葉を聞いて顔を上げると、禍津神が魔を吸収し始める。

宗史「これは...」

稜一朗「多分、浄化が効いてるんだ。力を貯めて攻撃をここに集めるのだろう。」

五瀬さんの読みは当たり、禍津神は私たちへと攻撃を始める。

先ほどよりも強い力で打ち付ける様に何個も何度も。

けれど、それらは皆が弾き返す。

まだだ...

もう少し、浄化を...

一志「朋美。」

そう呼ばれて顔を上げると一志が私の背中に手を当ててくれる。

一志「大丈夫だ、俺たちを信じろ。焦らなくていい。」

私は一志に頷いて浄化をする。

もう少し...

グゴゴゴゴゴゴ...

巨樹が突然鳴り出した。

「くっ...!」

強い...

でも負けない!!

大切なのは負けない事。

負けない事を続ければ、それが勝利になる。

最近、ようやく気がついた。

大丈夫、皆が居る。

私は1人じゃない。







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