キセキの少女
□第02Q-キセキの来訪者-
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黒子たちが仮として入部してから1週間が過ぎようとしていた。
体育館
人足先に来ていた日向、伊月、小金井、黒子は部室で着替えていた。因みに、黒子と同じクラスの火神は先生に呼ばれ、お説教という名の長話を聞いてから来る予定だ。
小「あれ、これって黒子が帝光にいた頃の月バスじゃん」
日「ホントだ」
そう言って、着替え終わった日向は月バスを手に取った。
日「えーと……黒子のページはー…と」
ペラペラ…ペラッペラッ…
日向がいくらページをめくっても、黒子の特集ページが
日「い…ない?」
見つかることはなかった。恐らく、他の月バスでも見つかることはほとんどないだろうが。
小「幻の6人目[シックスマン]って言われてたくらいだろ?取材来なかったのか?」
黒「来てましたけど忘れられました」
3人「(せ、切ねー)」
反対側で着替えていた黒子に小金井が聞いたら、当たり前のように答えていた。そして、そんな黒子に3人とも哀れみの視線を送っていた。
火「ちわーっす」
土「あれ、皆まだここにいたんだ。」
日「おー、水戸部たち遅かったな。火神が遅いのは聞いてたけど」
火「逆になんで黒子が呼ばれなかったのかが謎だって…です」
土「俺は日直、水戸部は先生に雑用で呼ばれてたんだよ」
河「俺も日直でし」
ばんっ
そんなとき降旗と福田が息を切らしながら入ってきた。
福「カントクが…戻ってきました!」
日「あー練習試合の申し込みに行くとか言ってたっけ」
降「何かスキップしてたし、練習試合オッケーだったみたいスね」
2年「げ…」
スキップという言葉を聞いた途端2年全員の表情が固まった。
日「…オイ、全員覚悟しとけ。アイツがスキップしてるってことは…次の試合相手、相当ヤベーぞ」
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その頃、学校に戻って、体育館に向かっていたリコは、機嫌がすごくよかった。
リ「フンフンフフーン♪」
それはもう、人目を気にせず廊下で鼻唄を歌いながらスキップできるほど。
そして…リコがそういう状態の時、先ほど日向が言っていたように、バスケ部ではそれをとてつもなくあらゆる意味で凄いことが始まる前兆ともいう。