□〜第3章〜 Yield
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  〜第3章 Yield〜
彼女こそ…私のエリスなのだろうか…?




ル ルル ルル ルル...


風が、髪を撫でてゆく

吐く息はまだ白い、が
風には春の匂いも感じられるようになってきた。

「あと…少し、ね」

リコは大きく育った林檎の木を振り返り、微笑んだ。
あの樹を植えてから、4回目の冬を越えようとしている…。
収穫の願いを込めたあの日から…5年。




「リコ!!」


「キース……」

声の主に気づき、愛しい人の名を呼ぶ。

…たとえ今は、叶わなくとも
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