サイボーグ

□第3話
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コンコンコン
ドアを叩く音がした。
「お兄ちゃ〜ん。
入ってもいいかなぁ?
昼食持って来たんだけど〜。」
ドアの外から景斗の声がした。
あれから5時間ほどたっていた。
「入ってくれ。
少し話がある。」
プシャー
空気が抜ける様な間抜けな音とともにドアが開いた。
そして間抜けな顔した、景斗が入ってきた。
「カッチーン!
今私に失礼な事考えてたでしょー!」
するどい…。
「いやいやそんな事ないって。
ただお前の間抜けな顔は、人を和ませるな〜と思ってな。」
「でしょ〜これでもこのタワーではアイドル的存在なんだから〜……って間抜けって何よっ!?
充分失礼じゃんか!」
「あ〜悪い悪い。」
おれは手を合わせ頭を下げた。
しかし景斗と話していると、気持ちが和むのは確かだった。
「も〜、それで話しってなぁに?」
「ここから抜け出す方法を教えてくれ。」
おれは真剣な顔で訪ねた。
「…お兄ちゃんそれは無理だよ〜。
サイボーグは救助活動か、有事の時ぐらいしかここからは出られないよ。
その時出たとしても、命令を聞かなかったら、拘束されちゃうし…。」
「やっぱ無理やり抜け出すしかないかぁ。」
平和的に出ようと考えたが、やはり無理そうなので、強行手段でいくしかなさそうだ。
「脱走するって事?」
景斗は不安げな表情で訪ねてきた。
「まぁそういう事だ。
サイボーグの力がどの程度のものか、だいたいわかった。
試してはないが、部屋の壁ぐらいは壊せそうな感じだしな。」
正直自信があった。試さなくても、なんとなくだが、自分のもつ攻撃力がどの程度のものかわかった。
「壁は壊れないよ。
シンクロ率100%のサイボーグにも壊せない様に出来てるから。」
…?
「何だシンクロ率って?」
壊せないと言われた事よりも、シンクロ率という聞きなれない言葉が気になった。
「そう言えば説明してなかったね。
シンクロ率ってゆーのは、簡単にいうと、脳と機械の身体がどの位結びついているかをパーセンテージで表したものなの。」
なるほど…
「そんでおれのシンクロ率はどの位なんだ?」
「お兄ちゃんは、サイボーグになった段階で49%だったよ。」
半分以下かよ…
「たったそれっぽっちかよ?」
おれはガックリした。
「それっぽっちって事ないよ。
普通始めは30%前後なんだから。
個人差はあるけど、それから10〜20日くらいで50%になるんだから。」
「へ〜おれって結構優秀じゃん。」
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