サイボーグ

□第3話
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「はっきり言って前代未聞だよ。」
なんだかわからないが、おれはすごいらしい。
「ちなみに50%で普通の人間の動きが出来る程度だから。」
とゆー事は、今のおれは人並みって事か…
「どうやったらシンクロ率は上げれるんだ?」
「このタワーの10階から20階までが、トレーニングルームになってるから、そこで訓練して、シンクロ率を上げられるよ。」
トレーニングルームが10階もあるのか〜。
早いとこシンクロ率を上げて、こっから出なきゃな。
「お話もいいけど、早くご飯食べてくんないかなぁ?」
そう言えば昼食中だった。
「そうだったな、さっさと食って、そのトレーニングルームに行こう。」
「あっ…今日はもう使えないから明日にしよ。
今日はこの部屋でも出来るトレーニングを教えてあげる。」
「そっかぁ…」
トレーニングルームが使えないのは残念だったが、この部屋でも出来るトレーニングとやらを景斗に教わる事にした。

昼食の片づけをすませ、景斗がトレーニング用の道具をいくつか持ってきた。
「まずはこれが基本だから…」
そう言って、白紙の紙とペンを取り出し、おれに渡してきた。
「これをどうするんだ?」
ペンを握ったままおれは訪ねた。
「そのペンで、軽く紙に点を打ってみて。」
おれは言われるがままに軽く点を打った。
0.3ミリほどの点が白紙の紙に写った。
「そして、もう一度同じ場所に点を打ってみて…
10センチ以上高い位置から、素早く打ってね。」
また言われるがまま、行動にうつした。
同じ場所に点を打ったつもりだったが、始めに打った点より1ミリほどずれてしまった。
「あっ…くそっ!」
おれは少し悔しくなった。
そんなおれを見て、景斗がイタズラっぽく微笑んだ。
「ふふふ…
最初はそんなもんだよ。
同じ場所に点を打てる様に、ひたすら打ち続けるのが、このトレーニングだよ。」
おれは悔しくなり、何度も何度も打ち続けた。
数分間夢中になっていると、黙って見ていた景斗が口を開いた。
「やりならでいいから私の話聞いてくれる?」
「あぁ?
何だ?
言ってみろよ。」
正直気が散るので、話たくなかったが、景斗の雰囲気がいつもと違っていたので、聞くことにした。
「今朝のお兄ちゃんみた時、なんだかすごく自由に執着してる感じがしたんだけど…
何か理由とかあるのかなぁ?」
自由か…自分でも自由への執着は普通ではないとは思っていた。
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