story

□未定
1ページ/1ページ

―赤く紅く染まる夕暮れ
それはまるで貴方の血のようで
手を伸ばして触れたい

手に入れたい

けれど
伸ばした手は
ただ目の前の空気を切って
虚しく宙を泳いだ






-*-*-*-

慌ただしい。
俺は城内の異常な慌ただしさで目を覚ました。
今日はパーティーだか何かあっただろうか?
朝から城内がこんなにも騒がしいのは珍しいことなのだ。
とりあえず様子を見るべく
体を起こそうとした―その時

「ファイ様ぁあぁああぁあぁ!!!!」

凄い音を立てて自室のドアが開く。

「ぅおっ!?な…なんだ…お前か…」

ドアの向こうに立っているのはこの城の召使の1人"ロー"だった。

「今日は随分と騒がしいな」

だがローは俺の問い掛けを無視すると
俺の布団を揺すりながら興奮して言った。

「開きました!!開いたんですよう!!」

「……………は?」

一瞬何の事か分からなかった。
まじましとローの顔を見る。
ローの目は喜びに満ちあふれているようだった。

「魔界と人間界の扉が…開いたんですっ!!」







-*-*-*-





.
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ