story
□未定
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―赤く紅く染まる夕暮れ
それはまるで貴方の血のようで
手を伸ばして触れたい
手に入れたい
けれど
伸ばした手は
ただ目の前の空気を切って
虚しく宙を泳いだ
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慌ただしい。
俺は城内の異常な慌ただしさで目を覚ました。
今日はパーティーだか何かあっただろうか?
朝から城内がこんなにも騒がしいのは珍しいことなのだ。
とりあえず様子を見るべく
体を起こそうとした―その時
「ファイ様ぁあぁああぁあぁ!!!!」
凄い音を立てて自室のドアが開く。
「ぅおっ!?な…なんだ…お前か…」
ドアの向こうに立っているのはこの城の召使の1人"ロー"だった。
「今日は随分と騒がしいな」
だがローは俺の問い掛けを無視すると
俺の布団を揺すりながら興奮して言った。
「開きました!!開いたんですよう!!」
「……………は?」
一瞬何の事か分からなかった。
まじましとローの顔を見る。
ローの目は喜びに満ちあふれているようだった。
「魔界と人間界の扉が…開いたんですっ!!」
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