蘓芳な狂想曲

□5章
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寒さを伴う冬の月となった。

辺りはすっかり銀白に染まる。

戦いも一時休戦となるほどの大雪に見舞われた。

皆、一つの部屋に集まり熱気を逃がさないようにその場で固まっている。

銀時達もピタリと引っ付き合っていた。

銀時の腹は日に日に大きくなってきた。

重くなり、動くのがやっとだ。

それを一番に心配しているのは高杉だ。



「銀、大丈夫なのか?
辛かったら即言え。」


「ありがと晋助。
でも、今の所は大丈夫だよ。
俺を誰だと思ってんの?」



ニコリと高杉に笑顔を向ける。

高杉は苦笑した。

その隣では桂が覗いて見ている。

そして…



「スマン銀時。
その……」



「あ?どうしたヅラ?」



「ヅラじゃない桂だ!!
ちょっと腹に触れていいか?」



「いいけど?」



あっさり許可を貰う。

が、しかし…



「何言ってんだ。
ヅラにかまわしたらヅラ菌が移るだろーが。」


いじめっ子のような発言をしてきた。

桂は高杉の発言にスルーすることなく反撃する。


「ヅラじゃない桂だ!!
大体ヅラ菌とは何なんだ!!
聞いたことないぞ!!」


「当たり前だろーが。
今俺が作った菌だ。」


「子供か貴様は!!」


「それに乗るテメーもお子様だ。」



どっちもどっちだ。

銀時は二人のお子様レベルの喧嘩に溜息を付くばかり。


 
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