蘓芳な狂想曲
□8章
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ザシュッ
ドサッ
「ふぅ…相手が多過ぎ。
いつもの倍じゃねーか。」
「確かに。
この数…尋常じゃない。」
この日桂と行動していた銀時。
何故か敵である天人の数がいっこうに減らず、増える一方。
いつの間にか周りを囲まれるしまつだ。
チロリと背中合わせで居る桂を見て前を見る。
「これ、どーするよ?
絶体絶命ってやつ?」
「お。
絶体絶命など貴様にしては日本語が分かっているではないか。」
「普通この状況でそんなことを言うか?」
喋っている内にまた天人が襲ってくる。
その度に天人を斬り死体を増やす。
疲れもあり、しまいには浅く幾つも斬られ血を流す。
そして…
「…これまでか」
桂が諦めたような言葉を吐き、また続ける。
「敵の手にかかるより、最後は武士らしく…潔く腹を切ろう。」
銀時はその言葉に目を見開く。
しかし、怒ることなくスッと前へと出る。
「バカ言ってんじゃねーよ。
美しく最後を飾りつける暇があるなら、最後まで美しく生きようじゃねーか。」
そう…
朔夜や高杉の為にも。