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□証
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室内には小さな喘ぎ声と、ぐちゅり、という粘り気のある水音が響いていた。
月明かりが円形の窓から差し込み、二人の姿を映し出す。
エドガーはクッションを背に座り、ロックを腰の上に乗せてゆるく犯していた。
結合部分は、すでに何回か達したのか精液にまみれている。エドガーの腹の辺りも同じだった。
向かい合い、随分長いこと身体を繋げたままのロックの秘部は、赤く腫れていた。
激しい動きではないものの、絶えず擦られれば痛みも生じる。
だがそれだけではなかった。
「いつまで我慢している」
エドガーは自分の肩に額を押し付け、眉を寄せているロックに囁いた。
「声を出せ、ロック」
「………っ」
奥を突かれながら耳元で名を呼ばれて、ロックは余計に唇を噛んだ。
ときどき身体を強ばらせてはうめく。行為が始まってからイクときでさえ、声をあげていなかった。
このままでは息をすることも忘れてしまいそうなロックの頬を、エドガーの手が優しく撫でた。
「もし離れても、お前の声を忘れないように。俺に聞かせてくれ…」
「……んっ」
甘く言い聞かせられても、ロックは応じようとしない。
エドガーはギリギリまで自分の肉棒を引き抜いては、最奥まで埋め込むことを繰り返した。
そのたびにロックの弱いところを攻めたてる。エドガーの肩を掴んでいる手には、ずっと力が込められていた。
指の痕がついているあたり、かなり強く掴んでいるのだろう。
それだけ追い詰められているのに、声は出さなかった。
その代わり、いくら突き上げられても、何度中に放たれても嫌がることはしなかった。
繋がった箇所は熱を持つまでになっている。気持ちいいのか痛いのかと聞かれたら、痛みのほうが勝っているのかもしれない。
だが止めることはしなかった。
それはエドガーの想いがロックにも通じていたから。
彼の気持ちに答えるために薬は使わず、求められた分だけ返した。
今日だけは背徳感も何もかも捨てて、彼の好きにさせてやりたいとロックは思った。
エドガーは飽きずに同じことを繰り返す。まるでその行為に取り憑かれたように。
ロックは身体に籠る熱を、長い息と共に吐き出した。
同時に、エドガーの動きが変わった。
「…ひっ」
突然直腸を強く叩き付けられ、ロックは引きつった声を上げた。
ゆるやかな刺激に慣れていたそこは、急激な変化についていけなかった。
「いっ…あ、あっ、あっ」
エドガーは繋がったまま、ロックの身体をベッドに押し倒した。足を自分の肩にかけて彼の腰を掴むと、動きを速く強くしていく。ロックの前立腺を、これでもかというくらい激しく突いた。
「ひあ…は…っ、あぁっ」
堪えきれずにロックは悲鳴じみた声を出す。内側から性感帯を攻められて、ロックのペニスが過剰に反応した。
そそり勃った一物は、我慢が効かなくて大量の先走りを流していた。
イキそうになるのを自分の手で戒める。
掴んだそれはドクドク脈打ち、限界を伝えていた。
「足りない…。これだけでは足りない…っ」
エドガーは譫言のように呟いた。ロックの身体を彼が辛くなるまで折り曲げ、自分を更にくわえ込ませる。
「もっと深く」
「はぁ、はぁ……は…ぅ」
「もっと奥まで」
「う…ぁ、ああぁっ」
過度に腰を打ち付けて、エドガーは彼の名前を口にする。
「ロック…ロック…っ」
熱を含んだ声に、ロックはうっすら目を開けた。