HTF小説

□夜の秘め事。
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(昔と変わらず、かわいーよなぁ)
そこまでぼんやり思ってから、ディスコは我に帰った。同い年のおっさん仲間に何を思っているのやら。女の子の可憐な笑み(自分にはまず向けられないが)の方が可愛いと言ったら何倍もそうなのに。
「カブも寝たし、私もそろそろ布団に入ろう。ディスコももう寝ろ」
「……うわっポップ?!な、なんでもねぇ!」
「?何一人で慌ててるんだ、おかしな奴だな」

ポップはクスッと笑うと、また寝室へ行ってしまった。
ディスコは風呂に入り、今日もばっちり決めた髪を梳かしながら、顔が熱いのを感じた。

「なーんかなあ…惚れてんだよなあやっぱ」

ディスコにしては珍しく、ここ数日は控え目な体制をとっていた。どうしたら本気で受け取ってもらえるのか考えての事だが、結局ポップはそれも全く気付かないまま。
引きの姿勢でいるのは飽きてしまったようだ。



「ポップ、寝た?」
「ん…いや、どうも気分が高まって…ぶはっ」
「ど、どうした?!」
「おま、その髪っ…そうか風呂入ったのか、はははっ」
ディスコがポップの寝室にそーっと入って見ると、ポップはまだ寝付けていなかった。安心したようながっかりしたような微妙な気持ちだったが、ポップがあまりに笑い転げるので、それもどうでも良くなった。

「てんめぇ…笑い過ぎだポップ!」
「すまんすまん…いやあ、はははは」
「この野郎っ」
ポップはひとしきり笑うと、涙目でひぃひぃ言いながら言った。
「まあ、こっちの方が格好いいな」
あとまだ髪濡れてるぞ、とディスコの首にかかったタオルでバフバフしてくるポップ。ポップにとってはカブにしてやるそれと殆ど変わらなかったのだが、ディスコにはそうでなかったらしい。

「うわっ!ディスコ、怒ったのか?悪かったって」
「別に……つーかポップ、寝れねぇなら俺に付き合えよ」
突然押し倒されて、ポップは慌てて身構える。しまった笑いすぎたか、と思ったのだが、次の瞬間にキスをされた事で全部吹っ飛んだ。
「んっ……?!」

ポップの思考が停止している内にも、ディスコは手を進める。寝間着が開かれ、唇を舐められた所で、ポップは抵抗を始めた。
「なにっ、考えて…!馬鹿かお前は?!」
「馬鹿で悪かったな、いいから萎えるような事言うな」
「勝手な事っ…ひ、くぅ」
首筋に、鎖骨に、耳に舌を這わせる度に、ディスコはやけにポップに欲情した。見た事もない表情に、思考が止まらなくなっているのに気付く。

「ひ、ぁあ!やめ、やっ………止めんか馬鹿者!!」
「っってぇーー!」
ポップが渾身の力で繰り出した右ストレートは、ディスコの顔にヒットした。
「カブが起きるだろう全く、大体溜まってるなら風俗でもなんでも行け!いくらお前でも男で抜ける訳ないだろう!」
ポップは早口にまくし立てると、放心中のディスコを外へ放り出した。後に我に帰ったディスコは、反省したけれど後悔はしていない様子。

次はちゃんと想いを伝えて、受け入れてもらえるのを目標に。つくづく、ポップは大変な男に惚れられた様だ。




END

趣味に走ってすいませんでしたおっさん好きです。需要無くてもオラの理性が暴走するぅうっふぅ!←
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