HTF小説

□サングラス越しの狂気
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ランピーは本日お誕生日なようです。


「それはそれは、知りませんでした」
「教えて無かったもんね、失敗失敗」
「何か欲しい物とかありますか?大した物はあげられませんけど…」
「え、いいの?!」
うわあ!と喜びを露にして、ランピーは喜んでくれた。彼と話すのは気持ちが楽でいい。声に感情を全て滲ませてくるから。

「えーっと、じゃあ…モール!」
「なんですか?」
「呼んだんじゃないよ!モールが良いの」
「……はあ」
予想だにしない答えが返って来てしまった。いや、彼のことだから突飛な事に決まっているとは思ったが。
「ちょっとそれは…どうやって?」
「簡単だよ、モールを俺にちょうだい。俺前から欲しかったんだ」

……あれ、おかしい。
彼の思考が分からない。嬉しがっているのは少しわかる、けれど口調がやけに落ち着いている。彼が感情を出さないなんて珍しい。
「すみません、意味がよく分からないです」
「俺が一番欲しいのはね、君の目玉なんだ。青くて綺麗だから。いいだろう?」

背中がゾクッとした。なんだ、何を言っている?冗談なのか、それとも…真意が分からない、怖い。

思わず後退りし、壁にぶつかる。しまったと思った時には遅く、顔の両側に手を置く音が聞こえた。
「モール、俺達恋人でしょ?」
「そう、ですけど、」
「使ってないなら欲しいな、ねぇモール」

確かに見えないけど、でも光くらいは微かに認知してる。しかしそんな言い訳はやはり効かないらしい。
「痛いですから、嫌です」
「そんなの毎日の事じゃん。大丈夫、すぐ処置して死なない様にするよ、今日の俺は医者だしね!」
「そういう問題じゃ…っっ?!」
べろり。
左目に未知の感触…舐められた。
「美味しそう、食べたいなあ…モール、」


いただきます。
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