HTF小説

□こっち向いて下さい!
1ページ/4ページ

先日、モールさんにやたら着いて行くネズミを見た。あれが俗に言うストーカーってやつなんだろうか。まあでも、ランピーが気付いたらきっとボコボコにされるんだろうし、心配無いかな。

…………はっ

何言ってんだ、俺がそんなことじゃ駄目だ!あんな馬鹿にモールさんを任せて置いていいのか?良くない!俺の方が絶対頼れる男なハズ…!

「モールさんモールさん!」
「その声は…ハンディですね。お久し振りです」
「今何か困ってる事ありませんかっ?俺に出来る事なら何でもしますから!」
「い、いきなりですね…」

俺は今、モールさんに絶賛片思い中だ。だからといって虎視眈々と狙っているかと言えばそういう訳じゃなく、常にモールさんには一番幸せであって欲しいと思ってるから、無理にアプローチしたりしなかった。
けど、いくらこの町では時間が無限にあるからって、のんびりしてられないかもしれない。
「……ああ、そういえば私の車の調子が少しおかしくって…」
「修理ですね?わっかりました!」
「なんだかすみません、大丈夫ですか?」
「いえいえ何のこれしき!」
思い付きで話しかけたけど、してあげられる事があって良かった。俺は張り切って修理に励んだ。


「完了ですよーモールさん」
「ああ、ありがとうございました。お茶でも如何ですか?」
「えっいいんですか?!」
頑張った甲斐があった!俺は無い腕でガッツポーズをすると、モールさんの家に入った。

「紅茶淹れたんです。あんまり熱くないようにしたんですけど…どうやって飲みましょうか?」
「あー、そっか…そうだ、モールさん」

俺はモールさんにカップを持ってもらって、少し傾けてもらう事にした。こうしてるとなんだか恋人みたいで気持ち良い。

「美味しいですか?」
「ん、すんげぇ旨いっスよ。あざっす」
「ああ、そういえばお菓子もありました。この前スプレンディドさんが作って下さいまして」
うう、お菓子作りかぁ…俺は自分でも器用な方だと思ってるけど、食材に足を使ったり出来ないので料理は苦手だ。けれど、機械の修理だけじゃなくたまにはモールさんにお菓子をプレゼント出来たらいいなあ。
そうだ、スプレンディドにどうしたらいいか聞いてみよう!






次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ