腐った駄文達


□待ち人
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ここは並盛中学校の応接室。今現在主がいないこの部屋に、そいつは入って来た…。
「クフフフ…」
パイナッポーの影。しかしその影は、ふと立ち止まった。
「おや?…ヒバリ君はいないみたい…ですね」
パイナポーこと骸は、つまらなそうに言った。
「そんなにかからないでしょうし…待ってましょうか」
しかし。骸の予想に反して、ヒバリはなかなかやってこない。
「クアァ〜…ちょっと眠いですねぇ…」
辺りはもう薄暗く、校内には誰もいない。
「帰っちゃったんでしょうか…?」
骸は少し心配になったが、ヒバリがいつも応接室に遅くまで残っている事を思い出し、とりあえず来るまで待つ事にした。
「クフンっ!(←くしゃみ)…結構冷えますねここ……ヒバリ君…」
言った直後、どっと眠気が押し寄せてきて、堪らずにとうとう骸は机に伏せて眠ってしまった。



――ガラッ
「…?骸?」
ようやく務めを終えて、帰って来たヒバリは、中央に置いてある机に骸が伏せている事に気付いた。骸の寝息が微かに聞こえる。
「……寝てる…」
ヒバリはそっと骸に近付くと、その手に触れた。
「(冷たい…何時間いたんだろ)」
ヒバリはもう一度骸の寝息を確認すると、その背中に自分の学ランを掛けて
――後ろからそっと抱き締めた。
「骸…ごめん」
骸の髪に顔を埋め、ヒバリは呟いた。
すると。


「クフッ…今日は随分積極的ですね」
ヒバリはびっくりして離れた。
「骸っ……」
「とても、嬉しかったですよ」
ヒバリはさっきの行動の時骸が起きていた事に気付き、赤くなった。
「う、るさい!噛み殺すよ?!」
「クフフ…可愛いですよ…ヒバリ君」
突然、視界が動いたかと思うと、ヒバリは机に押し倒されていた。
「…っちょっと!どいてよ!!」
「可愛くってつい…ヒバリ君のせいですよ?」
「何言って…っひぁっ!」
首筋にザラザラした舌の感触。身体が冷えきっているので、余計に熱く感じてしまう。
「やめっ…む…くろ…」
骸は華麗に散る赤い花を見て満足気に笑うと、ヒバリに唇を重ねた。
最初は触れるだけで徐々に深くなっていき、互いの吐息がかかる。

「今夜は寒くないですよ、ヒバリ君…」
「………ん…」

この日、ヒバリはいつもより素直だったとか……

→後書き(土下座ルーム)
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