□講義後のオリオン座
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貴方に恋して約一年

貴方がいなくなって約5ヶ月


あの後ろ姿は今も私の瞼の裏に焼き付いている





*一年前

「また宿題やってないのかい?瑞希ちゃん。今月ずっとだよね」


「ら、来週こそ…」


「その言葉先週も言ったよね?(怒)」


「うぅ…すいません…サンジ先生」



貴方は塾の講師


私は受験を控えた高校3年


その頃の私はまだガキで先生に気にかけてもらおうとワザと問題児を演じてた



「はぁ…瑞希ちゃん。そろそれ受験に向けて頑張ってもらわないと俺困るよ」


「……」



正直言うと受験という期間がずっと続けばいいなんて思ってる


だって受験終わったら塾には用はない

つまり先生に会えなくなる


だって私にとって塾に行く=先生に会いにいくだから


「とりあえず、今日、俺と補習な?覚悟しとけよ?」


「えー」

内心かなり嬉しいんだけどね、こうやって気にかけてくれると


サンジ先生は私の個担、いわゆる担任だ


担当は社会


先生の授業は私たち受験生にとって数少ない楽しい授業である

先生はいつも授業に意味のないことで笑わせてくれたり、歴史の裏話をよくしてくれる

他の先生とは違う


その為社会の時間になるのが毎回待ち遠しかった








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