恋
□白染めwinter
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冬島の12月は体を凍り付かせるほどの寒さとともにやってくる
「さむ…」
手と手を合わせ息を吹き掛けても一瞬しか温まらない身体
瑞希は島の中心、一番人々が密集するショッピングセンター街にいた
日も沈み真っ暗になるはずの島をたくさんのクリスマスイルミネーションが光り、明るく照らす
「はぁぁ…サンジ君まだかなぁ…」
瑞希は腕時計を見るがすぐに苦笑した
なにしろサンジとの待ち合わせの時間にはまだ一時間も時間があるから
昨日この冬島についた麦わら一味はログが溜まるまでの間それぞれの時間を過ごしていた
今日は12がつ24日
クリスマスイヴ
サンジと瑞希はこの日デートの約束をしていた
二人で過ごす初めてのクリスマス
瑞希はそう思うだけで胸にジワジワと嬉しさが浸透するのを感じた
「ぁ…ナ……」
あれ…?
今サンジの声が…
気のせいだよね…?まだ待ち合わせまで随分あるし…
そう思いながらも瑞希はサンジの姿を目で探した
「…」
瑞希の動きはピタリと止まった
見てはいけないものを見てしまった気がした
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