恋
□講義後のオリオン座
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「だから、第二次世界大戦後の……」
私がいつも見てしまう先生の背中
男のわりには細身の体でいつもスーツを綺麗に着こなしてて
こうやって黒板にチョークを走らせている時の背中が好きだった
憧れだった
そんな感じで私は問題児を演じ続けて約9ヶ月経った
今は冬
そして十二月
今年最後の塾だった
「じゃ、またな瑞希ちゃん。気をつけて帰れよ」
「はーぃ。来年もよろしくね?先生」
「よろしくねじゃないだろ(汗)お前は受験だ馬鹿!」
…受験か・・
「先生、大学落ちたらそん時は慰めてね?」
「なんで落ちるの決定なんだよ」
そういって先生は私の頭をクシャリと撫でる
その日も先生と接せられたのが嬉しくて
iPodの音楽に凄く明るいポップな恋愛の曲を選んで家に帰ったのを覚えてる
でも年が明けて久しぶりに塾に行った時
先生はいなかった
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