エコメモSS

□NO.1401-1500
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■グロッキークッキング

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「ダメだ、僕は死んでしまうかもしれない」
「何言ってんだ圭斗、これっくらいでネを上げてたらステージなんてままならないぞ」
「でもさすがにちょっとキツくなってきたなあ」

 定例会メンバーは、今日も今日とてIFの支援企業サマから依頼のあった、祭のステージMCのお手伝い。丸1日費やす練習が終わった頃にはヘロヘロ。圭斗なんか最近生気が薄れてきてるもんな。
 帰るのもめんどくさい、あまりの疲れで帰れる気がしないという理由でカオルの部屋に転がり込むことになった。とりあえず夜と明日の朝には何を食べようか、そんな議題。

「僕はいいかな、食事は」
「圭斗、食わないと死ぬぜ!?」
「一応サプリメントは持ってるけど」
「それだけで済ます気だろ! ダメ!」
「あー、俺栄養ドリンクとかの棚行くけど」
「ちょっ、カオルレッドブルは後で! ったくもう、こんな時だからこそちゃんと食べようよ」

 そう圭斗とカオルを叱り飛ばしてやると、言ったからにはお前が作れと言われる始末。やってやらぁ、こちとらいつもやってんだ。俺も疲れているのか、柄にもなく売られたケンカを買ってしまった。
 最近も夏バテしていた彼女を俺の料理で救った実績がある。それに幸い、こないだ彼女の実家に行ったときにお母さんから夏バテに効きそうなメニューはいろいろ教えてもらった。
 カオルはステージ慣れ、夏慣れしてるからかまだ食べる気力はありそうだ。問題は、バテにバテて食う気力自体失せた圭斗だ。食わせないと死ぬぞマジで。帝王の死因が栄養失調なんて笑えねーだろ。

「圭斗、お前よく言ってるだろ、納豆食っときゃ死にゃしないって。せめて納豆ご飯だけでも食っとけよ」
「そーだよ圭斗。でもカオル、そこは納豆たまごご飯にアレンジしよう」
「卵?」
「卵の黄身だけ乗っけんの。ゆっくりじわじわと効いてくるらしくて、下手すりゃエナジードリンクよかいいらしい」
「マジか、レッドブル越えんの」
「俺はレッドブルのお世話になんないから比較出来ないけど、コスパいいらしいよ」
「へー、やってみるかな」

 下手すればエナジードリンクを越えるというネットの受け売りに食いついてきたのがカオルだ。日頃からお世話になっているそれを越えるなら試す価値はある、と興味が湧いたらしい。
 とりあえず納豆たまごご飯を試してみることにした。俺も実際のところはネットで見ただけだから、本当にいいのかどうかは食べてからのお楽しみ。でも、納豆だし体に悪いこともないだろう。
 夜はさっぱりと冷しゃぶかバンバンジーにしようということに落ち着き、どうせなら温かい汁物があるといいなと味噌汁の具はシジミに決めた。お酒を飲む予定はないけど、物は試しということで。

「カズ、肉が余ったらキムチと合わせてくんないか、丼とかで」
「おっ、いーじゃん!」
「俺、久々にちゃんとした食事が出来そうで浮かれてんだ多分」
「ちょっ、カオルいつもどんな食事してんの」
「ステージの期間は食った記憶自体がすっぽ抜ける」
「ええっ!?」
「でも肉とキムチの組み合わせはいいよね。僕も少しつまもうかな」
「そっか、圭斗辛いの好きだっけか」

 それなら肉にかけるタレもピリ辛にしよーぜということに決まった。気付けばこんなことになっていたけど、今回の目的は堕落した食生活の2人にまともな飯を食わすこと。そう思わないとやってられない。


end.


++++

定例会の男子3人も大分馴染んできた感。ツッコミオブツッコミの圭斗さんがここまでぐだぐだになると、いち氏もツッコミに回れるのね。
朝霞Pのお部屋の有効活用が出来てるねwww この話を書いた日にはこの生活圏でのまさかの遭遇があったのだけど、公開順? 知らん
慧梨夏の夏バテを救った料理が定例会男子を救うか。そもそも慧梨夏が夏バテした原因って萌えの力で痩せろっつった姉ちゃnげふん

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