夢物語
□小春日和
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『可愛いもん…』
秀をぎゅぅ…っと抱きしめ
『大好きだよ…』
小さく呟く。
『竜…。俺も好きだ…』
抱きしめられる腕に凭れたまま
甘い言葉を幾度と交わす。
『竜…お前は暖かいよ…』
目を細めたままで手だけ伸ばし
頬を撫でる。
そのうち、仕事の疲れからか
秀は竜のひざ枕で眠り始めた。
日に透かされた茶の髪が綺麗で
長い睫毛が綺麗で…
竜は思わず見とれてしまう…。
ねぇ…秀、大好きって…
足りないよ…。愛してるんだ。
秀がいなきゃやだよ…。
小さく呟けば、
『知ってるよ…竜…』
起き上がり、また触れるだけの
口付けを交わす。