NOVELT

□TRIAL
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第1章
 〜運命〜
第1節
 〜プロローグ〜


今から3年前、とある小さな国が帝国軍と呼ばれる国家により侵略を受けた。その国は帝国軍に反攻をしたが、何十万という兵を持つ帝国に敵うわけもなく、その国はたった2日で侵略を許してしまった。


その国はグランレスという名の小さな国だった。緑に囲まれ、綺麗な川が流れていた。科学技術や工業が進んだ世界の中では珍しいと言っても良いぐらい自然が多い国だった。国王の人柄もあって、そこでは質素ではあったが平和に人々は暮らしていた。


だが平和は突然崩れた。帝国の侵略は人々が気付かぬ夜の間に行われた。国中に銃声が鳴り響き、人の叫び声がこだました。地面や川が血に赤く染まり、静かになった頃には地獄絵図と化していた。


この侵略の情報をグランレスからの緊急通信によって即世界中に広まった。帝国の武力による侵略は今に始まった事ではない。今までに大小様々な国が被害を受けていた。


この通信により連合国と呼ばれる国家からグランレスへ兵士や武器を送り、侵略を阻止しようとした。
 
 
連合国は7つの国が1つになって出来た国家である。目的は帝国の武力による侵略や殺戮(さつりく)を防ぐ事であった。


そしてグランレスへの侵略を阻止すべく、グランレスに着いた連合国の兵士達は一同に驚いた。


なぜならつい最近まであったグランレスの城と城下町が瓦礫(がれき)の山と化していたからだ。辺りは静かで人のいる気配がない。人はいるにはいるが、既に死していた。


後から判明した事だが、グランレスの地下にあった水力発電所を人為的に爆破させた形跡があった。その結果、城と街は全て木っ端微塵となり瓦礫の山へと化したらしい。誰がどのような目的で爆破させたかは今となっては誰にも分からなかった。


しかし、爆破によって多くの犠牲者が出てしまったのは事実であった。中には身元が分からないほど損傷が激しい死体が何百体もあり、誰が死んで生き残ったのか、はっきりとは未だに分かっていない。


今、世界は中立国、帝国、連合国の3つの国家に別れている。
 
 
帝国は武力の行使をし支配地を広げようとし、連合国がそれを武力によって阻止しようとする。中立国は中立という立場を一貫して戦争はしない。これが永遠と繰り返されているのが、この物語の舞台となる惑星ガイアである。


今も争いによってグランレスのように侵略を受ける国が増えている。また、死者の数も年々増加する一方だった。


果たして、このガイアでは過去に何が起こり、そして未来には何が起こっていくのだろうか…?
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