「あーさぶい!」
「うっせ! 寒いって言うから寒くなんだよ!」

そう言うヤツの肩は明らかに強張り震えていて

そんなヤツの近くにいたいと思うわたしは変ですか?



昼休みの屋上
好きなヤツからの突然の呼び出しに戸惑いと嬉しさの半々で来てみたものの
風が強い今日の秋空は、快晴のくせに酷く寒かった。

寒すぎて笑顔もつくれず、
わたしもヤツも自分で自分を抱きしめて寒さに耐えていた。


「す、スカートが飛ぶ!(謎)」
「パンツ見えそう(笑)」
「し、死ね!」

好きなヤツの前で猫かぶんないで、言いたい事言えるって良い事だと思う(それが恐い言葉でも)


「さっさと用件言ってよ!」

「そんな焦らせんなって」


なんだかやけにニタニタしていて怪しい。
まさかほんとにパンツ見えてるとか!?
内心ハラハラしながらヤツが口を開くのを待った。

だけど深呼吸をしている彼を見ていてイライラしてきてしまったわたし。

「寒いんですけど!!」

足をバタつかせヤツを焦らせた。


すると、煩いわたしを見かねたのか


「そんなに寒い?」

「スカートって寒いんだよ」

「・・・じゃあ、、俺が温めてやろっか?」

「・・・・・・・・・は!!!???」



思いもしなかった言葉に焦りまくる。


そんなわたしに近づき

腕を広げて


抱きしめて、、、き、た。



ヤツの腕がある背中も、密着した前も、すごく熱くなっていく。




「・・・・・・・・好き、です」

「へ、、へ?」

「付き合ってー…くだ、さい」



ギュウ、とわたしの体を包むヤツの体が暖かくて

なんだかすごい、幸せすぎてつい口が緩んでくる。


「なに笑ってんの」


真上から聞こえる声
こんなに近くから聞こえるなんて、やっぱり幸せ。



「・・・好きだよ、わたしも」



きっと赤くなっているだろう顔を上げて、ヤツの顔を伺ってみた。



「・・・っ」



ヤツの顔も、赤くなってた。


「ふふっ」
「な、に笑ってんだよ」



いつのまにか寒さも消えて、暖かくなった。
幸せが寒さを消してくれた。

「好きだからだよv」


好きなヤツの前で猫かぶんないで、言いたい事言えるって良い事だと思う。






(それが恥ずかしい言葉でも)

2008年3月25日火修正
拍手小説を修正しました。

[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ