ヒーロー





「わあああっっ!!!」

なんてオッチョコチョイなのあたし。ていうかオッチョコチョイじゃ済まされないぞコレ!
上から2段目。両手に教材をいっぱいに持ったあたしは階段で足を滑らせた。あたし・・・どうなるの!?
あたしはもう助かる事をあきらめてギュッと目を瞑った。


「っっ…!」

「「うわっ!」」


え・・・?助かった?
誰かに抱きしめられているあたし。バラバラと教材が辺りに散らばっている。

女「ちょっと、大丈夫!?」
男「あー・・・なんとか」
男「やべー、まじびびった」

真っ白になっていた頭。周りの状況が飲み込めるようになったとき
「あの、大丈夫?」
あたしの顔を覗き込んで、心配してくれている男の人が見えた。


どうやらこの人があたしを助けてくれたようだ。
もう1人の男の人も後ろで支えてくれたり、女の人も散らばった教材を拾ってくれたり・・・
つくづく助けてもらってしまった。
(上履きの色・・・3年生の人達だ・・・)

「「「気をつけなよ!」」」

階段から落ちるという恐怖にお礼もなにも言えなかったあたしに
3人の先輩はそう言って、去っていきました・・・。







「あの!・・・あたしのこと覚えてますか!?」

桜のつぼみが目立ってきた3月上旬
3年生の先輩方は、この高校を旅立っていきます。


あたしはどうしてもあの先輩にお礼を言いたくて・・・って言ってるけど本当は下心ありありで、あの先輩に声をかけた。
どうしてもお近づきに、なりたかった。


「うーん・・・誰だっけ?」
「え・・・!!!」
「うそ、覚えてますよ」


そう言ってニッコリ笑った。あのとき、気をつけろよ!って言った時と同じ笑顔・・・。


「よかった・・・あのときは、ありがとうございました」
「いえいえ」


あの階段から落ちたとき身を挺して助けてくれた男子の先輩。あたしは勇気を出して話しかけたのだ。
しかし話しかけたはいいけど緊張のあまり聞くことを間違えた。


「先輩は彼女いますか!?」


あの時からずっと気になっていた・・・けど聞きたいのはちがーう!
知り合いなわけでもなんでもないのに、なにやってんだあたしのバカー!!!泣
だけど・・・


「いないよ」


フッと笑って、優しく首を横に振った先輩。
あたしはその笑顔に完全ノックアウト。今までの募る想いが溢れそうになった。
けど、今度はちゃんと順番どおり言おう。



「アドレス、教えてください」





先輩はまたしても笑顔で返した








「赤外線でいい?」

















2008年4月7日月作成
赤外線・・・もう準備おっけーなんですね
2008年11月30日日つけたし↓
赤外線でいい?ってことは
先輩はもう後輩のことをあのときから気に入ってて
こっちもアドレス聞く気満々でいた…
っていう設定でした!
書いた本人が意味がわかりづらかったので
わかるようにつけたしです´`;


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