唇の味

-なきはせゆさんのお題から-



もしかしたら、もしかしたら・・・




「付き合って、ください!」

しどろもどろだった告白に、あたしの手を握って「いいよ」と笑った先輩

心臓口から出そうなほどドッキドキして顔が、湯がわかせるんじゃないかってぐらい熱くて、

嬉しすぎて失神しそてしまいそうだった。






「う、あ」

電気がついてない少し暗がりな教室

窓際の席でそよぐ風で涼んでいたのか、机に伏せて気持ちよさそうに眠っている。

あたしはその先輩の姿にとにかく、かわいい・・・と思ってしまっていた。


うわーうわーっ、睫がながいかも!

お肌もなんか普通の男子なんかより絶対キレイ!

先輩すごい!口唇だって・・・、ってなに考えてんだあたし!







「今日は絶対一緒に帰りたい」って、言った先輩は午前授業で終わり。

だけどあたしは午後もきちんと授業をうけなければならない。

昼休みの時間、2人で一緒にお弁当を食べた後、考えた末、

先輩があたしの授業が終わるまで待っていてくれることに。



途中までは先輩の友達が一緒にいてくれたんだろうけど、やっぱり

この時間になったら先輩以外、教室には誰もいなかった。



(むちゃくちゃ暇だったんだろうなあ・・・申し訳ない、)






あたしは起こさないように、そっと先輩の前の席に座った


パタパタはためいてるカーテン

気持ちちょーっと長めの先輩の髪が、さらさらとなびく。



(さわりたい・・・)




ちょっとした好奇心

普段なら絶対できないようなこと。だからなおさら先輩にふれてみたくなった。

先輩、起きてないよね?起きないよね?

少しずつ慎重に手を近づけてみた。


起きないようにと優しく、刺激を与えないように軽く、ふれてみた、




なのに、あたしが逆に刺激をうけてしまったみたいに触れた手が熱くなった。

おまけに顔も、身体全体、体温まで、







あつい










「 、 おは、よ」


「お、おはようございますっ。起こしちゃってすみませんっ」


眠そうな目をして欠伸を1つ、のびをして机に頬杖をつく。

先輩を見ていたあたしと必然的に向かい合う形になるわけで、

そうとう熟睡していたのかボ〜っと窓の外遠くを眺める、と、あたしに目を向けた。




「また敬語。いい加減直せ?」

「・・・すみません、、」

「(無自覚・・・)」




普通にタメ語でいーから、って言われても。先輩にはやっぱり敬語になってしまう。

ずっと前から、ずっと、そうだったからなあ。すこし落ち込む・・・



顔を俯かせると、先輩は突然あたしの頭に手を置く。



大きな手。優しい手。

思わずまた、さわりたくなるけどさわらない。だって先輩は起きてるから。





「さらさらしてんな。髪」

「いえそんな、先輩のほうが、」

「そおか?」




先輩の手があたしの髪を、なでる。

たまに手が耳に触れる。あつい



あつい、






「ふはっ」


「えっ?」



突然、笑い出した先輩。

優しい目であたしのことをみてくる。





「先輩・・・・・?」




あたしは先輩いつも何を考えているのかわからないけど

今だけはなんとなくわかってしまった。




たぶん、あの時起きてたんだなぁ






「先輩、すみません」

「え、なにが?」

「いや、えー、・・・なんか、」

「俺を待たせたこと?」

「そ、そうです」



「それだけ?」


「え、えぇ・・・・・その、勝手に、先輩に・・・」


「(やばーウケるわ)」




おもしろそうに笑って見つめてくる。

絶対、わかってやってる!

けど絶対勝つことはできない、負け勝負。



先輩の手に力がはいって、あたしを近づける。




先輩の髪が、


頬が、


睫が、


瞳が、


口唇が、





近くなる、



「ねぇ、」






もっと俺にさわってよ



そう言ってあたしにキスをした







Taste of lip(唇の味)










(敬語なおしてね)




2008年7月4日金作成 拍手けいさい

1日でできた!すらすら〜と

楽しかった(´ω`)

2009年2月24日火pc掲載
2009年3月21日土ke掲載


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