女の子→柑咲
男の子→佐伯




「あ、」


ガシャコン!




こんなことって
ありえるんでしょうか?



すいません、
ありえてます、 ね、






**********

缶コーヒー

-shalala…annさんのお題から-


**********





ひぅ〜〜〜〜〜



冷たい風が吹いて、あたしの髪の毛はふさふさと顔にまとわりついた。

その風はまるで、バカしてしまったあたしを嘲笑うかのようだった。



「さむ、」


そりゃそうだ。冬だもん。

なのに、お気に入り白のカーディガンに
お気に入りのチェックのふわふわマフラーだけの格好
下はもちろん制服スカート膝上丈

こんだけ薄着だったら寒いわな。



あたしは間違えて買ってしまった
ココア、の隣だった缶コーヒーを下から取り出す。


「てかなんで自販機外にあんだよ、さみぃよ」


幸いの救い、缶コーヒーがあったかい事。
両手で持って暖かさを包む。



「え、何やってんの?」


「え!?」



ふー、と一息いれながら手を温めていると
突然後ろから声がした。

(ありえない…!だって今は…)




「せんせい?」

「今授業中だろ、何やってんだよ」

「せ、先生こそ!」



後ろを振り返れば、ジャージに身を包んだ佐伯先生(体育教師)の姿

授業中に生徒がいるはずない、と思ったら、この人か…




「俺は授業も何もないから…ていうか、おまえが問題だろ」

「あたしは保健室に行くんです!」

「そんな堂々とサボりにいかなくても…」



はあ…と諦めたようにタメ息をつくと、
ポケットから財布を取り出して小銭をあさった。




「サボりじゃないし!」

「どう見てもサボりだろ」

「あ〜そうやって決めつける〜!」



佐伯先生はあたしにとって、一種の"憧れ"
だって、かっこいい。
ありえないくらい輝いて見える。あたしには


他の子は顔だけ〜とか性格わる〜とか言うけど、
あたしにはどうして先生のことよく思わないのかが
不思議でしょうがない。




「見てコレ!」

「あ?コーヒー?」

「あたし貧血ぎみでふらっとして間違えちゃったんだよ」

「間違えたあ?アホか」

「ほんとはココア飲みたかったのに…さいあく」




びゅう!

またも強い風が吹いて、ヒラヒラとスカートがはためく。

貧血ぎみというか体調が悪いのはほんとで
「顔しろすぎ!」という友達の言いつけで保健室にきたのだ。
(べつにファンデ塗りすぎとかじゃない!)



「あーもー寒い、じゃね先生」



とりあえず校舎に入ろうと足を急がせた。






「柑咲、」


「?」





呼ぶ声がして振り返ると





「うわ!?」




視界には空とぶ茶色い缶

ポス、と手元に飛んできた物は暖かい缶



ココアだ




「コーヒー投げろ、」




「…、ありがと!」





先生にコーヒーを投げる。

空とぶコーヒーはやわらかく弧をえがくと
先生の手の中に入った。




コーヒーを受け取った先生を見ると

佐伯先生は普段
めったに笑わないのに
なぜか
柔らかく

微笑んでいた



うわあ





好きだなぁ…







動悸、息切れ、、、

ドキドキしすぎて苦しいよ!先生!






2008年8月8日金作成
らぶはあんまないけど、
好きな人にこういうことされたら、
めっちゃキュン!としません?(妄´ω`想)笑
2009年5月30日修正
6月8日月keけいさい

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