*brotherS*

□★4
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棗達、三つ子と杜琶は一緒に出掛けたりご飯を杜琶の家や棗の家で食べたりお互いの家で遊んだりするほど親密になった。








今日も杜琶は昼間の仕事をこなしていると携帯がポケットで震えメールが入る。受信フォルダを開くと遙と件名に入っている。






『どうかしたのかしら?』





内容を見ると今日、泊まりに行っても良いかと言う内容だった。良いよと、返信すると店のドアが開きそこにいたのは





遙「じゃ〜一緒に帰ろー♪」

『遙っ;!!さっきメール…もぉーいっつも急なんだから…じゃーもうちょっと待っててね?あっいつものでいい?』



いつものと言うのは杜琶、特製ブレンドのコーヒーで遙のお気に入りのコーヒーだ。
この遙と言う男性は杜琶の実の弟である。背は180あり細身の体に長い手足、髪は杜琶と同色の黒が濃い灰色、目は少しつり目で瞳は薄い桃色。肌は杜琶同様白く、そして同様に美形である。付け加えるなら杜琶ラブのシスコンだ。だが杜琶もまた遙大好きなブラコンだ。






遙は朝日奈兄弟の琉生と同じ美容院で働き琉生と同級で仲が良いのだ。タイプが違う二人だが二人ともカリスマ的センスがあり日々、互いを高めあっていたりする。よくご飯に一緒に行く。







祈織「仲良いですね杜琶さん。」

『あっ祈織君。ごめんね騒がしかったよね!?』

祈織「全然、気にしませんよ?俺、遙さん好きですしね?」



1ヶ月前ほどから杜琶の勤めるカフェで働き始めた大学一年生の朝日奈祈織。言わなくてもわかるが朝日奈兄弟の一人だ。祈織はよく働いて丁寧な接客でお客さんに評判だった。





『出会いって本当に不思議ね?朝日奈兄弟といろんな形で出会って…ふふっ♪この調子だと朝日奈兄弟コンプリート出来そうね♪』

祈織「本当ですね。まさか兄さん達の知り合いとこんな形で出会うなんて…」



そう言って二人して笑いあった。祈織に遙にコーヒーを持っていって貰うと店には遙とカップルが一組だけだった。店長 今買い出しにいっていていないので店員は杜琶と祈織しかいなかった。遙は杜琶達がいるカウンターの前に座りコーヒーを飲んでいると店のドアが開きそこにいたのは朝日奈光だった。





『いらっしゃいませ。』

光「何よ他人行儀ね?あら?遙じゃない?相変わらず綺麗な顔してるわね!?でも私は杜琶の方が好みね♪」


遙「久しぶりに会って第一声がそれって光くんらしいわぁ〜。てか俺の前で堂々と杜琶を口説こうなんてよくやるね?杜琶は俺しか眼中にないのに♪」

光「出たわねシスコン…生意気よ!?祈織も頑張ってるみたいね♪コーヒーをお願いするわ♪」






光の注文の品を出すと光は相変わらず美味しいわねと、誉めてくれた。店長もいないし休憩も兼ねて祈織にも珈琲を淹れる





『祈織くんはマキアートで良いのよね?』

祈織「えっ?あっはい。スミマセン。」

『あれ?もしかして違った;祈織君、マキアート好きなのかと思ったけど…;変えるわね何が良い?』

祈織「あっ;違うんです;!!よく俺が好きなの知ってるなって思って…マキアートは好きです。特に杜琶さんが淹れてくれたのは…」



その言葉が杜琶はとても嬉しくて少し頬を染めながらありがとうと微笑んだ。その笑顔を見た3人は頬を赤くしていた。遙に至っては俺の姉さん世界一♪と言っていた。すると急にカップルが









「何よソレッ;!!ふざけるのも大概にしてよ!!何で私の親友と寝たのよ!!」

「はぁーまじうぜ…俺お前のそうゆう所マジで嫌い。俺、アイツと付き合うから別れてくんね?」

「何でッ;!!」




静かな空間が一気に険悪なものになった。男が女の友達と寝てそっちと付き合うから別れろと一方的な展開になっている上に男は女に罵声と貶す発言をしていた。女の方はソレでも泣くのを我慢していた。









『………………。』



遙「…………;杜琶…落ち着きなよ;」



遙がそう言ったのは杜琶の表情が…瞳が怒気を孕んでいたから…杜琶は世界で一番ああいう男が大嫌いだと言っている。それでも杜琶は二人の問題だと我慢して止まっているのだが。




光「にしても最低な奴だね。」

祈織「うん…あり得ないよね。よりによって何で友達と付き合うのかな…」


『彼女が可愛そうよ…あんまりだわ…』




話し合いはヒートアップしていき遂に男が女に飲んでいた珈琲を頭からかけた。杜琶は考えるより先におしぼりを持ち走り出した。




「熱いッ;!!」

「テメー死ね!!本気でうんざりなんだよ!!」

━━バシャンッ…


「…………はっ;」


『大丈夫ですかお客様。早く冷やしますからこちらへ』



杜琶は女が飲んでいたアイスコーヒーを男にかけ女の顔を冷やすためにキッチンに連れていこうとすると祈織が駆け付けて手伝おうとする





「てめぇ何すんだ!!」

『貴方……最低ね…。』


男は杜琶の肩をつかみそう言うが杜琶は射殺すほどの眼光を男に向け怒気をはらんだ声音でそう言う




「テメーに関係ねーだろ!!シネッ!!くそ女ッ!!」

『ッ;─────………』


「「「杜琶(さん)ッ;!!!!」」」




ガシャンッと音と共に杜琶の体はテーブルに叩きつけられる。杜琶は男に殴られた。ソレは一瞬の事で光達は反応できなかったがすぐに我に返ると杜琶に駆け寄る






遙「杜琶ッ大丈夫かッ;!?」

光「テメェッ!!何してんだよ!!」


「そいつがわりーんだろーが!!大体俺は客だぞ!?店員が客に珈琲をかけて良いのかよ!?あぁっ!!」




ソレにたいしてその場にいた全員がぶちギレる。





光はゆっくり立ち上がるとその長い脚を生かし男に回し蹴りをし、男は勢いよく横に倒れ込む



━━Σガシャンッ……



光「女に手をあげる奴なんざーな!!男でも客でもねんだよクズがッ!!」


遙「………おい…よくも杜琶に手をあげたな…どうなるか解ってんのかテメー!!」


「ひぎっ;|||」




遙は男の胸ぐらをつかむとそう怒鳴り声をあげた。遙は歯ぁ…食い縛れや?と言うと左頬を思いっきり殴った。そして祈織が入り口を開けると





祈織「お客様、お出口はこちらでございます。」


「ひっヒィッ||||」


光と遙が男の服をつかむとズルズルと出口に運び扉の前で投げ捨てるとドスの聞いた声でドス黒い顔をしながら






光「テメーこのままでいられると思うなよ!?杜琶とこの店に危害を加えるつもりなら俺がどんな手を使ってもお前を見つけ出してひどい目にあわせてやるからな…」

遙「ついでに言っとくけどこのまま無事に帰れると思ったら大間違いだからな?俺の持てる力すべて使ってお前を社会的に消してやるからな…」

「ひっヒィッ|||」


祈織「今後、この界隈に脚を踏み入れたら………分かってますよね?」





そう男に言うと男は逃げ腰で走っていった。光と遙は祈織に塩をまけ!!塩を!!と言うと店内に戻っていった。










━━━━━………


『お姉さん大丈夫ですか?火傷しなくて良かったです。』

「私なんかより貴方の方が酷いじゃない。」




杜琶は殴られたときに口を切りテーブルに叩き付けられた時に右の瞼の上をぶつけ青アザが出来ていた。勿論、殴られた左頬を青紫に腫れている。






『私の怪我はほっとけば治りますから…でもお姉さんの心の方がよっぽど痛いですよ…』


「っ────………本当に……嫌になるわ……ひっく…うっ…うわぁー…;」



女の人は杜琶にしがみつくとずっと我慢していた涙を流した。石が外れたように大声で子供のように…







━━━━━━………




光「貴方、名前は?」

「なっ菜々…子です……ひっく…;」


『菜々子さん…これタオル使ってください。』

菜々子「ありがとう……ひっく;……あの…良かったら…;はっ話をひっく;…聞いて貰っても…良いですか?」




『えぇ…勿論…。』




濡れた髪と涙をを拭く用にとタオルを渡す。すると菜々子は泣きながらさっきの男の子とをポツポツと話始めた。







男とは大学のサークルで知り合い付き合って四年だと言う。親友も同じサークルで3人で仲が良かった。お互い社会人になり仕事も忙しくてそれでも連絡などこまめにしていたのに半年前から連絡も少なくなり会う時間も減っていった。元々、大学時代から軽いとは聞いていたが菜々子と付き合ってから真面目になった。






だから安心していたのに





菜々子「まさか親友と浮気してたとはね…。」


『……………』



話を黙って聞く四人に菜々子は涙が溢れる。





菜々子「親友がきれいなって恋してるっていってその話を自分の事みたいに喜んでたのよ?まさかその相手がアイツだなんて思いもしないで…本当に私ってバカね……」



『菜々子さんは何も悪くない!!』

光「そうよ。自分を責めてはいけないわ?」


菜々子「本当に悔しくて悲しくて…でも私……まだ心のどこかでアイツが謝って帰ってくるんじゃない勝手思っちゃうの…」




どんなに辛くても悲しくてもまだ彼のことが好きだと菜々子は泣いた。そんな菜々子を光達は慰めの言葉をかける





遙は杜琶に頼み珈琲を淹れてもらいソレを菜々子に出すと




遙「お客様…こちらの珈琲をどうぞ。」


菜々子「えっ?」


遙「涙が止まるコーヒーです♪」




『………………;////』
光「……………;///」
祈織「…………;///」





遙は自身の最大の特性である顔を生かし菜々子にそう言って珈琲を出した。ソレを聞いていた3人は床に崩れ落ち体を震わせて笑っていた。杜琶に至ってはツボに入ったのか顔を手でおおいながら体を震わせ声を出して笑わないように必死に耐えていた。






菜々子「ふっ…;///あはは♪バカじゃないの?でも嬉しい…ありがとう頂くわ!?」



遙「うん♪菜々子さんには笑った顔の方が似合ってますよ?女の子は生まれつき魔法が使えるんですよ!?笑顔に花が咲くって言う魔法が…」


光「…確かに今は辛いわよね?でもねソレも時間が解決してくれるわ?ソレにこんな良い女をフルなんてあの男、見る目ないわね?」


祈織「幸せになる権利は皆にありますよ?勿論…菜々子さんにも。」


『菜々子さん?こんなに素敵な男性達がこう言ってるんです…貴方はちゃんと前に進めます。だってこんなにも素敵な 人なんですから?』






菜々子は涙ぬ拭うと微笑みながら





菜々子「ありがとう………貴方達って変な人ね?でもいい人達…」






どんなに辛くてもいつかきっと貴方も出会う…

貴方だけの………

運命の人に






━━━━━━━━……… 








菜々子を送り出すと杜琶達は急いで店を片付け店長に怒られること無く今日の仕事を終えた。杜琶を病院に連れていこうとしたが今日は病院が、休みで連れていけなく朝日奈兄弟の長男で医者の雅臣が家にいるとの事で四人は急いで朝日奈に向かう。








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