*brotherS*

□★7
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運命の悪戯なのか……


神様の意地悪なのか……



きっとこの二人はそう思っていたに違いない…






『………なっ……つめくん…;||||』



棗「………;|||杜琶……;|||何でこんなところに;」













━━━━━━━━━……………










ソレは遡ること3時間前。昼間の仕事も終わり、夕飯に何を作ろうかと考えながらたまにはフラーっとウインドウショッピングでもしようかと都心に出た。そもそもこれが杜琶にとって悲劇の始まりだった。

















桜「あーっ杜琶♪マジでちょー良いところにいたっ♪」

『えっ?桜;』






バッタリと双子の妹である桜に本当に偶然に会うと桜はそう嬉しそうにいった。このときから杜琶は何だか嫌な予感がすると感じていた。






桜「あたしこれから用事ができちゃって♪ちょっとバイトに行け無くなっちゃって♪でも代わりに杜琶が行ってくんない?その分のお給料あげるからさ♪店には言っとくからあっこれが店の名前と場所ね♪あとコレ七時からだから急いでね?じゃっお願いねー♪」


『ちょっと待ちなさい;!!用事って大体何よ;!!私バイトなんか行けないわよ;!!』



桜「だーいじょぶ♪杜琶は顔は良いんだから♪店にいけばあとは何とかしてくれるから♪用事はねー♪御木本さんとお食事なの♪またねー!!」




『えっ……?』





御木本さん……もしもその御木本さんが杜琶が二週間前から付き合い出した男性だとしたら……いや。絶対にそうだろうた杜琶は確信する。ソレに御木本さんは今日は残業だと言っていたはずだが…





嘘かと理解し、杜琶は瞳を閉じて深呼吸する。またか………どこで嗅ぎ付けてくるのか…どうしてそんなに杜琶の物を欲しがるのだろうか?まぁ考えても無駄だ。大丈夫……痛みはない。今回も大丈夫だ。






杜琶はそう自分に聞かせ桜が指示した場所に向かうことにした。もし杜琶が行かなくて人不足などで迷惑がかかるのは店の方だ。妹の不始末をどうにかしないとと責任感がそうさせた。こうなってしまったものは仕方がない…まったく…手のかかる妹を持ったものだと杜琶はため息を着き歩き出した。
























━━━同時刻……







棗「飲みに?」

風祭「そう♪今日はもう上がれそうじゃん♪だからさたまには飲みに行こーぜ♪俺、行きたい店があるんだよ♪」






仕事中、同僚の風祭がそういってきた。普段、余りこういった誘いには乗らない棗だが断り続けるのも悪いし明日は休みだからたまには良いかと了承した。すると風祭はすごい勢いで喜んでいた。この時、棗は少し嫌な予感がすると思ったが気のせいだろうと自分に言い聞かせ残りの仕事を早く片付けることにした。





















━━━━━━…………




そして30分前に店に着いた杜琶だが……






『…………;|||冗談よね…;|||』




桜から指名された場所は確かにここだ…だがこの外装は明らかにキャバクラだ。何かの間違いではないのかと桜に電話をするが電話に出ない。そして店の名前を確かめるが






『……やっぱり…ここだ…;||||』




桜のバイト先はどうやらこのキャバクラだったらしく杜琶はいくらなんでも無理だと青ざめていると店のドアが開きボーイのような人が出てきた。







「あれ?もしかして桜さんの代役の人ですか?」

『Σえっ;|||あっはい……;そうなんですけど……;』


「いやー桜さんが言うだけあって美人ですね♪準備しますんで中にどうぞ♪」


『えっいやっあのっ…;|||』




行きますよーっと手を引かれ店の中に連れていかれる杜琶。もう逃げられないと確信した。 何て災難な日だと心底思った。店内に入るとゴージャスな内装に高そうなテーブルやら置物、豪華に彩られた世界に杜琶は唖然としてしまう。






「えーっとじゃーここが更衣室なんでコレに着替えてきてください♪」


『……………………………;』




そう言ってボーイは杜琶に紙袋を渡すと行ってしまった。取り合えず更衣室に入ってみるとソコには綺麗な女性たちが何人もいた。杜琶が更衣室に入るとその視線が一気に集まる。






『……;|||おっおはようございます。』

「えー?貴方だれ?」
「新人さん?」
「てかちょー美人なんですけど♪」



一気に話されてあっぷあっぷとしていると一際ゴージャスな女の人が杜琶に近づいてくると




タマキ「貴方が桜の代役の人でしょ!?私はタマキ、よろしくね?」

『あっはいっ;漆星杜琶って言います。桜の代役で今日だけですが皆さんよろしくお願いします!!』





杜琶はそう言って深々と頭を下げるとその場が一瞬シーンとしたが





タマキ「あっはっはっはっ♪」

『……;!!』



急にタマキが笑い出したと思ったら周りの人達も笑いだし杜琶がどうしたのかと焦っていると





タマキ「あっはっは♪あーごめんね?貴方、桜とは全然違うのね♪礼儀正しいのね?気に入ったわ♪タマキって呼んでちょうだい♪えーっと…杜琶は源氏名…何にする?」




『タマキさん……よろしくお願いします。源氏名…』





そうか…こういう店では源氏名が必要なのか…それなら




『アオイでお願いします。』



タマキ「アオイね♪マネージャーにも言っておくわ!?所で…アオイ?貴方、この店が何の店か知ってる?」


『いえ…桜に急にこの店にいけと言われて来たので何も知らなくて…すみません。』



タマキ「………そうなの…アオイはこういう店とは無縁そうだからもしかしたらって思ったけど知らないのね?じゃー言うけどこの店はランジェリーパブよ。」



『ランジェリー……パブ?』








タマキの話ではランジェリー姿でお客とお酒を飲んで話をして接客すると言うシステムらしい…ソレを聞き杜琶は顔を真っ青にした





タマキ「アオイ?貴方何も知らないできたんだから断りなさい。貴方見るからに経験もなさそうだし…」


『確かに経験はないです。でも妹の不始末なので私が穴埋めをしないと…初めてですけど頑張ってみます。』


タマキ「しつこい客がいたら私が何とかしてあげるからね!?今日一日頑張りましょ♪」






タマキは姉御肌で好い人だなと杜琶は感じた。そして衣装に着替えるべく着替え室に入って袋を開いた………






『………;|||嘘でしょ…;』







━━━━━━━……………






タマキ「あら?似合うじゃない?」

『……………;』





黒のレースのネグリジェに同じ柄のでパンツに二の腕まである手袋そしてニーハイ。とてつもなくエロい下着だった。秘部は隠れているもののその他はレースで透けて見えると言うなんとも大胆な下着に杜琶は顔を真っ青にしたり真っ赤にしたりと忙しい。








『…………こんな下着…;|||生まれてはじめて着ましたよ…』


タマキ「……アオイ?……さっき見て思ったけどクマの下着は卒業しなさい…。」













━━━━━━━……………











『いらっしゃいませぇ♪』






あの後、杜琶には更なる悲劇が起き。店長が杜琶が綺麗な足をしているからと普通のパンツだったものがヒモのティーバッグになってしまった。だが粘りに粘り…凄く短いが黒のスカートを履かせて貰えることになった。






普段、barでいろんな人と話をしていたお陰で接客には何の問題もなく寧ろ高評な感じであった。タマキからもやるじゃん♪と誉められて嬉しいが何とも複雑な気分だ。






肩を抱かれたりとお尻や胸を触られそうになるとタマキが助けてくれたりして何とかやり過ごせそうだと思った。












━━━━━━━…………












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