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□*ログホライズン*
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物事に慣れるのは早い方だ。柔軟性もあり理解力も高い。客観的に物事も見れるし理性的でもある。それは私が育った環境のせいか、若しくは元々の性質か……とりあえず世界がこうなってしまっても初めは驚いたが何より先に知らない事が多すぎると脳が警告しただがそれ以上に何だか解らないがワクワクする…そんな子供じみた感情が私の心に溢れた。ノウアスフィアの開墾……一瞬目の前が真っ暗になり気が付けば見知らぬ場所に……だがソコは自分が良く慣れ親しんだあの場所にそっくりだった。丁度、水辺の近くで水面に写った自分の姿はエルダーテイルで使っていた自身のアバターのそれだった。だが元の世界の自分の容姿にも似ていた。そんなことを考えていると背後で物音が聞こえ振り向くと緑を基調とした服の少し不機嫌そうなエルフがいた。暫しの間、二人には静寂が流れた。何故かそのエルフが私の事をジーっと見つめていたからだ。取り合えず声をかけることにした。










『こんにちは。』

「…………ッ;ちは……;」

『エルフに出会えるなんて幸先が良いわね♪あっ名乗りもしないでごめんなさい。私はランドール、貴方は?』


そう聞けばエルフは少し戸惑いぎみにウィリアム・マサチューセッツ…と答えた。その名前とエルフと言う条件で思い当たる節があった。戦闘系ギルド、シルバーソードのギルドマスターの事を……あまり詮索するのも良くないと思いそれ以上聞くのは止めた。






『ウィリアムさん……貴方も気が付いたらここに?』

ウィル「あぁ…アンタもか?」

『えぇ。…………取り合えず五感は全部備わっているみたいね?湿った空気…緑の香り…水の味…土の感触…色鮮やかな色彩……ふむ…なかなか面白いわね。』

ウィル「なぁ……やっぱここって…」





ウィリアムが少し戸惑いぎみに聞いてくるとランドールはう〜ん…と唸って





『情報が少ないのよね…憶測でモノを言うのは好きじゃないけど……多分…エルダーテイルの世界だと思うわ?』







ランドールがそう言えばウィリアムは1拍置いて嬉しそうに叫んでいた。マジか!!とか言いながらはしゃぐ姿はまるで子供のようだったがランドールにはとても好印象を受けた。確かにここがエルダーテイルなら少なからず嬉しい気持ちにはなる……だってエルダーテイルは私達が愛してやまないゲームの世界だから。はしゃぎ終わったウィリアムは何か発見したのか驚きの声をあげた。





ウィル「なぁアンタ!!額に集中するとメニュー画面が開けるぞ!!」




彼の言葉通りにしてみると確かにメニュー画面が開けた。そして、アイテム等の操作も可能で戦闘も出来るようだ。取り合えずこれで得られる情報は得ようと様々な事をためしてみる。少しの間、情報を得るとどうやらシロエ達もこの世界にいると言うことが分かり合流することにした。ランドールが立ち上がるとウィリアムが






ウィル「行くのか?何ならこのまま俺と…」
『君は……君は君のギルドの仲間と早く合流した方がいい、きっと仲間も不安がっているだろう。それならば少しでも知り合いといる方が安心できる…仲間を安心させてあげなさい。』
ウィル「でもアンタは;……ギルド未所属だろ……これからどうするんだよ。」

『私は平気よ…友達もこちらに居るみたいだしね?彼等と合流するわ。心配してくれて有り難うウィリアムさん。』

ウィル「しっ;///心配なんかじゃねーよ。」

『ふふっそう♪君はとても愛らしいわね?こんな事は不謹慎かもしれないけど……お互い…今の状況を楽しみましょ♪さよならウィリアムさん。』








軽く言葉を交わすとランドールはその場を後にし情報収集を始めた。すると仲の良いシロエから念話が入り合流すると懐かしいメンバーの直継とも会え一緒に行動した。その後はシロエ達と行動を共にし、知人のマリエールからススキノに残されたギルドのメンバーセララの救出を手伝い、そこでは思いもしなかった出会いがあり茶会時代のメンバーのにゃん太に会えた。そしてにゃん太との出会いがシロエを変えていった。














────────………







アキバに戻り、今まで絶望的だった不味い飯問題はクレセントムーンと言うハンバーガーから変わりつつあった。本当にシロエといると飽きることがない。彼はとても楽しい人…ランドールの中でシロエはそんな人物だ。今回のクレセントムーンの一件だってただの準備でしかないのだ。こんな大がかりな準備とは笑うしなかい。だがランドールは退屈は人を殺せると思う人間である、楽しくなくちゃ生きている意味がない…そんなことも思うのだ。






ランドールは今、シロエのお使いでシルバーソードのギルドに向かっていた。DDDと黒剣騎士団もあったのだがそちらは丁重にお断りさせてもらった。鼻唄まがいに歩いていれば目的地に着きランドールは取り次いで貰うと中に招かれた。










シルバーソードのギルドホールは広くウッド調の作りの建物でその奥にギルドマスターであるウィリアム、マサチューセッツは座っていた。ランドールはカツカツと歩くとウィリアムの前で微笑むと








『こんにちわウィリアムさん……今日は取り次いでいただいて本当にありがとうございます。』

ウィル「あぁ……久し振りだな?ランドールさん。」

『えぇお久しぶりです。それとランドールでいいですよ?敬語もいらないです。』

ウィル「そうか…なら俺もウィリアムでいい。こっちも敬語はいらない。」

『解ったわ。話が反れたわねごめんなさい。…今日来たのは手紙を渡しに来たの…これを貴方に…』



そう言ってランドールは一通の手紙をウィリアムに渡すとランドールは口許に弧を描く。何故なら手紙を読んだウィリアムが一瞬だが反応があったからだ







ウィル「記録の地平線……ログホライズン。」



ランドールを見るとギルド未所属だった箇所がギルド、記録の地平線に変わっていた。




『あの時は誘ってくれてありがとうございました。正直、とても嬉しかったわ?それでっ─────……;!!』


ウィル「何だ;?どうかしたのか?」


急に何かを感じたように焦り出すランドールにそう声をかけると




『不味いわ;……お願いウィリアム、少しだけ私を匿って;!!私は帰ったと言って;』



そう言ってランドールはシルバーソードの右腕と左腕とも言える守護戦士のディンクロンと妖術師のプロメシュースの腕を取るとウィリアムの後ろに並ばせウィリアムのマントの中に隠れる。すると少し経ちそれは来た












アイザック「ランドール!!てめぇ何で俺のところには来ねーでシルバーソードのところには直々に来てるんだよ!!」

ウィル「おいおい黒剣。急に来たと思えば何なんだよ。」

アイザック「あぁわりぃなウィリアム……んで?ランドールは何処だ。」

ディンクロン「彼女なら今しがた帰りましたよ。」

クラスティ「おや?そうなのかい。でも……僕の脳はここに彼女がいると言っていますよ。」

プロメシュース「DDDのクラスティ……何故貴方が。」

アイザック「チッ…邪魔が入った。んで?ランドールは?いるんだろ?」

ウィル「帰ったよ。」

クラスティ「でも彼女の香りがする。」

アイザック「だな。ランドールの臭いがする。」

ウィル「臭いって……天下の黒剣とDDDが何でそんな一人の女に執着する。」






ウィリアムがそう言えば二人は笑みを浮かべ。




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