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□*家政魔導士の異世界生活*
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私は確かに戦場にいた、敵の弾丸が降り注ぐ中を潜り抜け、敵の殲滅のために。急な目眩に意識は遠退き、倒れるようにその場に臥せったのだ。このまま意識を失ったら確実に死が訪れる、そう考えるも抵抗など出きるはずもなく暗闇に落ちていったのだ。頭には大きな鐘の音が響いていた。













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その日、クレメンスは一人で依頼を受け森まで来ていた。依頼事態はもうこなしていたがなぜだかその日は、少し森の奥のほうへと足を進めたのだ。理由は特にはなかった。だがそのたまたまが後々、自分にとってのかけがえのない出会いになるとは知らずに。








それはほんの少しの違和感、何かに呼ばれているようなそんな変な感覚だった。そしてクレメンスは見付けたのだ。一人の意識を失い倒れている人を。見たこともない格好をした人間に近付き声をかけても起きることはなかった。格好からして小柄な男だと思った。男の荷物は見たこともない大きな鞄に細い棒状のような何だか解らないモノが、近くに落ちていた。男の荷物だと思い拾うとクレメンスは男を背負った。帰りの道中、モンスターに会わないことを祈りながら街へと足を進めた。






不思議なことにモンスターに遭遇することなくクレメンスは街へと辿り着いた。取り敢えず背中の人物をギルドへと運ぶとギルマスであるザック.シエルは驚いた表情をしながらも奥にある救護室へと向かいいれた。



ザック「おい、クレメンスどうしたんだいったい?」
クレメンス「任務のあと、森で意識を失っていた人物を見つけたんだ。」





見たことない服や武器らしきモノ、風貌で言えば冒険者と言えなくもない。だがやはり、自分達とは違うと言うのが解る。これはまるで彼女のような……そう考えていると部屋のドアが勢いよく開き、彼女がいた。





シオリ「森で人が見つかったって!!」


シオリはベッドに横たわる人物を見て目を見開いた。そこには自分と同じ、あの世界からの人間だったから。







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『んっ……………』

シオリ「良かった!目を覚ましたみたい!」





目を開けるとソコにはよく見知った顔立ちだがだが服装が何処か現実離れしていた。よく頭が働かないが体を起き上がらせ。現状を知るために口を開いた。




『私は神代樹。イスラエルで極秘任務中だった。貴方が私を助けてくれたのですか?』

シオリ「私じゃなくて、彼が倒れていた貴方をここまで運んだんです。」

女性がそう言い、一人の褐色の肌を男性を指した。イツキは英語でお礼を言うが彼にはさっぱり通じなかった。英語では通じない……そう考えていると心配そうに瞳を揺らした女性が静かにイツキに伝える。



イツキ『えっ?…………』






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部屋には私とシオリと名乗る彼女だけ。どうやら彼女が二人にしてくれて言い、ごねる知人達を部屋から追い出し、イツキと向き合った。彼女は聞いたこともない言葉を彼らと話していた。ふーっと息をはくとシオリは真剣な表情で





シオリ「今から私の言う話しは到底、信じられないモノだと思います。でもこれは現実なんです。」




シオリが話したことは到底理解が追い付かないモノだった。それでも彼女の目は真剣そのもので嘘を着いているとは思えなくただ、現実を話しているようだった。落ち着いてきた頭で話を聞き、理解したのはここが自分達の住んでいた世界ではないと言うこと。









──────────………………





あの日から月日がたち、この世界に慣れつつあった。最初の3ヶ月、シオリに頭を下げ一緒に住ませて貰いながらこの世界の知識を集めた。言葉を習得し、この世界の常識を身に付けた。この世界は魔法やらモンスターと言ったお伽噺の様なものが存在するらしい。最初、シオリがイツキを世話することを彼女の回りはよしとしなかった。何か訳があるのか彼女は腫れ物のような、それでも大切にされているのは解る接し方をされていた。ザックと言うギルドのマスターから忠告めいた事を言われたが何を言っているのかさっぱりだった。言葉を理解するようにるとあれが、やはり忠告であったのは間違いなかった。





シオリと生活していくなかで彼女がとても優しく芯があり魅力的な女性だと言うのが良くわかった。何人かの男性から好意を持たれているようだったが彼女は全く気がつく事はなかった。それこそれザックから好意もむしろお互いからの好意も何か理由があるのかお互いに気がつかない不利をしているようだった。






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