*K&B*

□*麦藁色をかぶった少年*
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出会いはいつだって突然やってくるものだ。



『そーいえば今日、祐希君達のクラスに転校生がくるみたいね♪』


春「へぇー転校生ですかぁ。文月ちゃんが来た時の事、思い出しますね♪」


『私?特に普通な感じじゃなかった?』


悠[いやいや……みんなめちゃくちゃ可愛い子が来たってはしゃいでましたから…しかも女子まで…]


春「クラスで大人気でしたよ♪すっごく可愛い子が来たって♪」



『かっ///可愛くなんて無いよ;///私なんて全然///』



祐「そんなことないですよー文月の可愛いさはオレが保証しますよー。」


悠「てゆーか…どうしたの今日は休憩時間のたび来るね?」


祐「なんかあの席にいると妙なアプローチを受けるから…」


祐希のその話に文月と悠太は口元に手を当て微笑ましい顔で[まぁまぁ♪]と喜んでいた。


悠「あら珍しい…祐希に正面からぶつかっていける人がいるなんて。」

祐「うーん…正面っていうか…右側から?」

「みーつけたっ!!!」


━━━どーーーん!!


『祐希君っ;!!』


見知らぬブロンドの少年が祐希にぶつかってきた。


「うおっ;クローン!!?」




━━━━━…………






「なーんだ双子のお兄さんでしたか。」


悠「どうも浅羽裕太です。うちの祐希とはどういったご関係で?」


《悠太君;…なんかそれちょっと違う気がする;……》


苦笑いで一部始終を見ている文月と完全にふざけモードの悠太。



祐「彼の妄想の中では昔の知り合いらしいです。」


「違うでしょ!?ホントに知り合いでしょ!?」


祐「だって知らないんだもん。」




その後要が同じクラスだから解らないことがあったらと手を差し出すが[はっ]とバカにした感じに接した。その一瞬で要は自身を苛つかせる性格確実に祐希の知り合いだと思った。



だが当の本人の祐希は全く知らないと言っている。祐希が去るとブロンドの子は[昔はもっと優しく思えた]とぼやいていた。すると春がやってきて少し会話をすると教室に戻っていきブロンドの少年が要と悠太の腕をとり小声で




「誰?今の」

要「ゆっきーに認めさせてやるぞはどうしたんだよ;」

「物事には優先順位というものがあるんです。あの子どっちかの彼女?」


悠*要「「無理。」」
━━キッパリ


「えーっかわいいじゃん!!」

悠「どこが…女じゃないよあれはっ」

「まっなんてこと言うの!!確かに胸はちっさいみたいだけどそーんなの男のテクで大にも小にもなるよ!?」



そのままブロンドの少年は春を追っていってしまった。



要「おい……」

悠「オレはちゃんと女じゃないと言いました。」

要「言葉というのはな悠太。相手に伝わって初めて意味を成すのだよ…」


『それにしても元気な子だね?』


要「あっ!?文月。」


ドアの後ろからひょっこりと文月が現れると要は驚いていた。
ブロンドの少年が来る少し前、何故か悠太にドアの後ろにいるように言われその通りにしていたのだ。



『綺麗なブロンドね♪彼が転校生?祐希君と仲が良さそうだったけど?』


あの会話のどこをとったら仲が良さそうに思えるのか……まったくこの天然少女はと要と悠太は文月の頭をポンッと撫でるのであった。







━━━━…………






昼休み、みんなが屋上に行っている中、文月は少しやることがあるからと先に行ってもらっていた。




やることと言うのは………



「あっ文月先輩っ///好きです///付き合って下さい///」


『えっと……;気持ちは凄く嬉しいんですがごめんなさい;』




空き教室に呼び出され後輩であろう男の子に告白されていた。転校してきたこれで五回目だ。男子生徒は泣きながら「でもそんな文月先輩も好きです諦めません……」と言うと走っていってしまった。






1人になった教室はやけに静かで文月はため息をはく。そのまま、みんなが居る屋上に足を進めるが先ほどのことで頭がいっぱいであった。




本当に好きだと言ってくれたことは嬉しい。嬉しい反面、気持ちに答えられなくて凄く悲しい気持ちになる…だが断られた彼らの方が余程悲しいだろうと想い自分は偽善者だなと自己嫌悪している。






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