*弱虫ペダル*
□*05
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今回の企画は前回の新開の一言から決行された。
新開「なんならうちの寮に泊まれば良い。」
━━━━━━━━………
『わぁー……凄いね?』
新開「ははっ♪やっぱり漆世はすげーな♪」
お互い凄いと言うが二人のその意味は違った。漆世と新開は今、箱根学園の寮の近くにいた。前回、新開が寮に泊まればという一言から漆世は明日、たまたまお互い部活が休みで遊ぼうとなり、寮に泊に来ていた。
漆世の凄いは箱根学園の寮の大きさだった。部活に力を入れている学校なだけあって県外からの生徒や遠いところから通う生徒のためにあり、寮は第一、第二と二棟あった。その第一に新開達、箱根学園自転車競技部の人達は住んでいた。
そして、新開の凄いは漆世が本当に泊に来たことだった。基本的に楽しいことは大好きな漆世、面白いと思うことには全力でふざける漆世。そんな漆世が新開の冗談を本気に捉えるのは当たり前だった。まぁ、新開としても漆世が来てくれたのは本当に嬉しいのだが
『ふふっ♪隼人くん…何だがドキドキするね♪』
新開「そうだな漆世♪あっここからは静かにな?」
『えぇ♪』
漆世は新開の後を静かに着いていった。新開の部屋は一階の角部屋だったため、外からの侵入が可能で何とか誰にも気付かれずに部屋にはいれた。靴をビニール袋に入れ、漆世は新開が正面の入り口から来るのを待っていた。
新開の部屋は意外と片付いていた。何とか言うか新開の性格上、少し散らかってそうなイメージがあった。心の中でそのイメージに対して謝罪をした。今思えば総北メンバー以外の男の子の部屋に来たのは初めてだ。金城の部屋には普通に入っているのため何ともおもはないが
あっ♪と思い出したように漆世は新開のベッドを下を徐に除き混み
━━━ガチャっ……
新開「……………何してるんだ?」
『やっぱり男の子の部屋に来たらベッドの下を除くのが王道かなって?』
新開「因みにソコには置いてないぜ?」
『なら他を当たるわ♪』
そう言えば漆世はベッドの下を除くのを止め、ベッドの前にチョコンと座る。
新開「あはっ♪何か漆世が俺の部屋にいるのって変な感じ。」
『そうだね♪でも悪いことしてるみたいで楽しいわ♪』
そう言って悪戯っ子のように笑う漆世を新開は可愛いなと思った。
『そう言えば私が来るのって皆は知ってるの?』
新開「いや…皆には言ってない。だから他の人にもバレたら駄目だぜ?」
『そっか…解ったわ♪』
新開「あっこれデカイと思うけどジャージ…パジャマ代わりに使って。」
『Grazie♪隼人くん♪あっでも上だけ貸して?下はショーパンがあるから平気♪』
新開「じゃー俺は寿一の所に行ってくるからその間に着替えて待っててくれ。」
『うん♪行ってらっしゃい♪あっ隼人くん…遅れたけど……』
漆世は新開に抱き付くと頬っぺたにキスをする。そして微笑むと
『Sono contento di vedere(会えて嬉しいわ)♪隼人くん♪』
新開「ん♪俺も嬉しいよ♪じゃー行ってくる。」
新開に手をふり、新開は部屋を出た。漆世は着ていた服を脱ぎキャミソールとモコモコのショーパンパジャマを履き終わると
━━ドンドンッ!!
荒北「新開ーっ!!入るぞ〜!?」
『Σ;!!!』
逃げ場がない!!どうしようと、思ったがそれよりも早く体がドアの前に移動し入ってきた荒北の口を手で塞ぐと荒北の手を引っ張り部屋にいれると直ぐにドアを閉めた。
『荒北君…シィー;!!』
荒北「フガッンガッ;?(何でここにっ?)」
口を塞ぐ手を離すと荒北は驚いたように
荒北「んでここに居るんだヨ;!!」
(ヒソッ)
『荒北君、もっと声抑えて。まさかこんなに早くバレるとは……;』
取り合えず落ち着いた荒北を漆世の前に座らせると漆世は今の状況の経緯を話した。
『てことでね?明日休みだから隼人くんと、遊ぼうと思って泊に来たの♪』
荒北「漆世チャンて新開と付き合ってるのォ?」
『隼人君と?まさか♪私なんかが相手なんて隼人君に失礼よ♪アハハ♪荒北君て、面白いこと言うのね!?』
荒北「あー…;そーなんだ……;」
憐れ新開……そして何て鈍感なんだと荒北は思った。
『あっ♪荒北君、明日の予定は?』
荒北「あー?特に無いけどォ?」
『なら一緒に遊びましょうよ♪うんっ♪それが良いわ♪人数は多いい方が楽しいでしょ♪決まりね♪』
荒北「俺は良いけどォ……新開がナァー?」
『隼人君はそんな小さい男じゃないわよ♪明日が楽しみね♪』
荒北「漆世チャンさぁーもしかして新開の部屋に泊まるのォ?」
『そのつもりよ?』
荒北「………俺も今日、ここに寝る。」
『Davvero !(本当に!)嬉しい♪今夜は楽しみね♪』
二人でそう話していればガチャっとドアが開き部屋の主の新開が帰ってきて
新開「…………………」
『おかえりなさい♪』
荒北「よっ。俺も今日、ここで寝るからァ!?」
新開「………漆世…。靖友…」
荒北の姿に新開は肩を落としたのだ。
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