*弱虫ペダル*

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『あら?』


御堂筋達の元から帰ると丁度、箱根学園の東堂と真波が遊びに来ていた。巻島が漆世の存在に気付くと近付いてきて。





巻島「漆世ー。言い忘れてたことがあるッショ。」

『なぁに?裕ちゃん?』

巻島「レース中に東堂が坂道の事、三下ビジュアルって言ってたッショ。」

東堂「Σ巻ちゃんっ;!!それはさっき謝ったこと;」
『私の……私の坂道君を三下……ですって?』
東堂「Σヒイッ;||||」




凄まじいほどの殺気を放つ漆世に東堂は青ざめる。肌がビリビリと震え鳥肌が立つ。背筋がゾワゾワとする。その鋭い眼光に東堂は坂道の後ろに隠れると





東堂「めっメガネ君にはちゃんと謝ったよ;|| 」
坂道「ひっ姫先輩、東堂さんがボクの事……素晴らしいクライマーだって言ってくださったんです;///」

『坂道君………』






嬉しそうに頬を染め笑う坂道に漆世は抱き付くと






『So cute坂道♪もー好きっ♪大好き♪私の天使よっ♪』

坂道「ひっ姫先輩っ;///」



すると漆世は坂道の耳を手で塞ぐと



『坂道君は私が見つけた大事な大事な原石なの♪この子は必ず誰よりも美しくなるわ♪』





妖艶に微笑む漆世に恐怖さえ覚える。二人はまたと言うと行ってしまった。漆世は坂道の耳を塞ぐのを止めると手を取り。




『さっ♪帰りましょう♪今日の疲れが残らないように私が確りとマッサージしてあげるから♪』













そう言い皆で旅館に行った。











──────…………









夕飯を食べ、お風呂に入り終わると皆部屋で休んでいた。沢山運動した後に入るお風呂はやはり気持ちが良い。漆世も、ゆっくりとお風呂に入り疲れを取った。風呂からでると金城達、3年の部屋に行く。









──コンコンッ…

『入っても平気かしら?』

巻島「おー漆世。入って平気ッショ。」




巻島の声が聞こえると漆世は、ドアを開け入ると各自寛いでいる3人がいた。







『今日は皆、お疲れ様♪マッサージするから寝そべって?じゃー迅ちゃんからね?』

田所「おー頼むわ漆世。」



寝そべる田所にマッサージを施す。寝そべる田所に自分の体重をかけ上手くマッサージを施す。筋肉を解すように念入りにする。だが漆世は違和感を覚え田所に優しい声音で







『ねぇ迅ちゃん?何か…私に言うこと無い?』

田所「きっ急だな!?特に言うことはねーぞ;?あっ明日も俺様の勇姿を見とけよ!!」

『ふふっ♪楽しみにしておくわ♪なら私は貴方達が明日に疲れを残さないようにしなきゃね♪』






田所のマッサージが終わると次の巻島、そして金城のマッサージをする。その頃には田所はイビキをかきはじめていた。







『真ちゃんもお疲れ様♪写真いっぱい撮ったのよ♪』

金城「そうか…すまないな漆世。」

『皆のも沢山撮ったからアルバムにして部室に置こうね♪あと花束…ありがとう♪嬉しかったわ。』

金城「俺よりも漆世の方が花が似合うからな?それに昔から花が好きなのは知っているからな?」

『ふふっ♪ありがとう♪』

金城「所で漆世……今泉はどうだ?」

『ちょっと根が深いわね。でも……何の問題もないわ?私の仕事だしね?』

金城「そうか………頼んだぞ漆世。」

『Si♪任せて?』









───────…………








──コンコンッ♪


『今泉君、鳴子ちゃん、坂道君?漆世よ。入っても良いかしら?』



漆世がそう言えば小野田がバタバタと走ってきてドアを開けてくれた。その愛らしさに漆世は小野田を抱き締めていた。







『あら?純ちゃんに一ちゃん♪あっ、もしかして二人がマッサージしてくれたの?』

手嶋「はいっ。姫先輩は3年生をしてたんで俺達は1年をと思って。」
青八木「コクリ」





そう言う二人に可愛すぎるわぁー♪抱き付いて頬にキスをしていた。



『あっ♪じゃー私は今泉君をするから二人は鳴子ちゃんと坂道君をお願いして良い?』

今泉「Σおっ;///俺は平気です;///」

『何言ってるの?疲れたに決まってるでしょ?それに私けっこう上手いのよ?だこら任せて♪』

手嶋「姫先輩はマジで上手いぞ。俺達に教えてくれたのも姫先輩だしな?」

青八木「姫先輩…任せる。」

















とのことで今泉は漆世にマッサージをしてもらう。正直、凄く上手いと思った。疲れている箇所を丁度良い力で揉みほぐし疲れをとってくれた
。漆世がマッサージしてくれた後、体が驚くほど軽くなった。すると漆世がコンビニに行きたいから付き合ってとのことで今泉は漆世のバイクの後ろに乗りコンビニに向かう。







『ねぇー今泉君、バイクで走るのって気持ちがいいでしょー♪』

今泉「はいっ!!少し怖いけど…楽しいです!!」


初めてバイクに乗る今泉は少し体が強ばっていた。そんな今泉に漆世はクスッと笑う。コンビニにつくと目的のものを買いアイスを買った。







『ねぇー今泉君、少しお話ししない?』

今泉「はぁ;………」



とのことで近くにあったベンチに座ると漆世は先程買ったアイスを今泉に渡し、食べ始める。



今泉「あっ;お金、宿に戻ったら;」
『クスッ♪いらないわよ?奢り♪今日頑張ったからね♪』




そう言うと今泉は少し暗い表情をした。








『ねぇ今泉君?バイクって気持ちがいいでしょ♪』
今泉「はい。」
『私はね?皆とロードバイクで走れないから……ロードと同じくらい速いバイクに乗ることにしたの。』

今泉「……………。」













漆世の話をアイスを食べながら聞く今泉。アイスを食べ終わると漆世が少し優しい声音で







『翔ちゃんと何かあった?』

今泉「っ─────………;」



ビクリと肩を振るわせ握る拳に力が入る今泉を見て、やはり何かがあったのだなと確信した。漆世はその拳に優しく触れると今泉の首に手を回し抱き寄せると








『私で良かったら話して?一人で抱え込まないで。』






漆世のその言葉に今泉はレースであったことを話した。金城を発射させた後、御堂筋が追い抜いて行く間際に今泉に発した言葉。小学生の時に味わったあの屈辱をいつか返すとペダルを回してきた日々……だが御堂筋の中では今泉は敵ですらなかったと思い知らされたこと………漆世は泣きながら話す今泉をそっと抱き締め
る。








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