*弱虫ペダル*

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ソレを告げられたのは漆世の大会が終わって二日たった日の事……休憩で二人きりになったときに彼はゆっくりと私に告げた。














「9月からロンドンの方の大学に行く。もう受験はしてある。あとは単位を前倒しで終わらせればあとはもう……行くだけだ。」


『…………………』


「兄貴の仕事を手伝いながら通うんだけど……俺が行くまで英語の練習に付き合ってくんねーか?」



『うん、良いよ。裕ちゃん…』

巻島「すまねーショッ漆世。」














巻島「Mi piace scalare la montagna .」

『上手い上手い♪うん。発音も綺麗になってきたね♪この調子なら平気だと思うわ♪もともと裕ちゃんは英語得意だものね♪あとは日々の会話で上達するから……ようは馴れよ♪』

巻島「サンキューッショ漆世。」








そう言う巻島に漆世は微笑むとこてんと……巻島の肩にしなだれた。












巻島「どうしたッショ?」

『んー………裕ちゃんは偉いなって……』

巻島「何がッショ。」

『将来のために色々自分で決めて行動して……凄いなって…』

巻島「まぁーな……自分の事だしな?漆世は、どうするッショ。」

『私は真ちゃんと同じ大学に行くつもり。真ちゃんの専攻は理系だけど私は教育学部に行くわ……勿論、英語で。』

巻島「漆世が先生かぁー……そりゃいーな♪」






クハッといつものように笑う巻島に漆世はぎゅっと抱き着く。




巻島「漆世?」

『裕ちゃんの夢の事……勿論、応援してるわ?でもね……やっぱり寂しいの………ひっく;しょうがないって解ってるけど……ひっく;やっぱり寂しくてたまらないわ……』



巻島「漆世………ばーか……一生の別れって訳じゃねーッショ!?泣くなよ………俺は…漆世に泣かれるのが本当に辛いんショ…」








涙を指ですくう巻島の指先がとても暖かかった。巻島の言うとおり一生の別れって訳ではない。だけど……だけどもそれでもずっと一緒に過ごしてきた仲間だ………











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