*弱虫ペダル*

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季節は秋になり9月も4週目。こっちに来てから初めての秋だ。紅葉が始まったばかりの木々を見ながら漆馬は今夜の夕飯のメニューの事を考えていた。今日はバイトは休みで山に来てきた、勿論愛車のビアンキと一緒に。自転車に乗ることは毎日欠かしていない、二時間のローラー、一時間の外回り…医者になるための勉強だって勿論やっている。ハードだがこなせない事はないし自分のためであり苦ではない。気分転換に山にも上れるしこうも条件が良いことに漆馬は、感謝すら覚える。







さて、今日はどんなレーサーに会えるか……そんなことを思いながら山を登っていると目の前の光景に漆馬は、唖然とした。緑の髪を左右に振り乱し、自転車を左右に傾ける独特なダンシング……そんなはずがない……彼がこんなところにいるはず無い……だが漆馬は叫ばずにはいられなかった……確認せずにはいられなかった。













『ッ;……裕さん!!!!!!』

「?あっ?」





そう叫べば緑の髪の男はゆっくりと振り替える……あぁやはり……











巻島「漆馬;!!なんでおめーがここにいるんショ;!!」

『うわっ♪本当だ!!本当に裕さんだ!!!!久し振りですね♪』















━━━━━━…………







二人は自転車をおり、木陰で休憩がてら話をするこにした。







『え?てか何で裕さんロンドンに?』

巻島「俺は9月からこっちの大学に入ったんショ。俺の事なんかよりお前今まで何してたんだよ!!漆世、滅茶苦茶心配してたッショ;!」

『何って修行ですよ?手紙に書いたとおりロードの修行してたんです。漆世の事は、悪いことしたって思ってます……でもこれも俺自身の成長のためなんです。ちゃんと説明すれば漆世も解ってくれると思います。まぁーブッ飛ばされるのは覚悟してますけど♪』






そう言って笑う漆馬に巻島は変わらないなと思った。







巻島「修行の成果はどうッショ?」

『うーん♪正直、こっち来て良かったと思ってます。道も過酷でレーサーも荒くれてて♪俺、こっちで武蔵坊弁慶みたいに勝負を挑みまくってたら何か此処等じゃ有名人になりましたよ♪』


巻島「なぁ♪漆馬……久々にすっか♪」

『良いッスね♪ヤりましょ裕さん♪んじゃ負けた方が飯、奢るってのは?』

巻島「乗った♪テザートのアイスもつけるッショ。」



そう言えば漆馬は昔と変わらない笑顔で笑うのだ。













勝負は簡単、この道の頂上がゴール。距離は五キロ……斜度は40度の激坂…巻島も漆馬もクライマー……山は二人の十八番だ。そして、勝負は始まった。














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