*弱虫ペダル*

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晴れて大学生になった漆世。そして彼もまた












『真ちゃん♪今日の夕御飯何にする?』

金城「そうだな……なんなら俺が焼きそばでも作るか?」

『真ちゃんが作ってくれるの♪うん♪今日、やきそばにする♪じゃー練習終わったら買い出しに行きましょ♪』










金城真護もまた漆世と同じ大学に進んだ。ここは静岡県上富士市洋南大学。金城と漆世は学部は違えど同じ大学に進んだのだ。そして二人の両親の考慮から二人は同じアパートに暮らしていた。3LDkの広いアパートに暮らしていた。漆世の身の保証は金城がし金城の生活面での保証は漆世がするとのことで二人暮らしをすることになった。お互いもだが両親もソレには賛成していた。








寧ろ金城の母親の翠さんは



翠「もうなんなら漆世ちゃんが真護の彼女になってくれたら良いのにぃ?」

『何言ってるんですか翠さん!!真ちゃんにはもっと可愛くておしとやかな子じゃなきゃダメです!!私みたいながさつな女じゃ駄目ですよ!?』

翠「えー?私は漆世ちゃんが良いなぁ!?ねぇ真護?漆世ちゃんなら大歓迎よね?」

金城「そうだな。漆世は良い奥さんになるぞ。」














何て話をしたのが懐かしい。そしてこの大学では更に面白い出会いがあった。















「1年荒北入りまーす!!」




バンッとドアが開くとソコには箱根学園エースアシストの荒北靖友がいた。彼もまた洋南大学に入学したのだ。






『靖友君、お疲れ様♪』

金城「どうした?荒北……休講で教室にでも行ったのか?」

荒北「るっせ;!!知ってたんなら教えろよ!?」

金城「アドレス知らないからな。」

『あっ私も知らない♪交換しましょ♪』



こうして3人でアドレスの交換をすると荒北のアドレスにアキちゃんと言う名前が入っていて




金城「アキちゃん?彼女か?」

『靖友君彼女いたんだぁ♪』

荒北「ちっげぇ;!!実家で飼ってる犬だヨ!!」


そうなんだ。と二人は言う



『あら?そう言えば栄吉君は?』

荒北「あー待宮は違う講義だヨ。」



栄吉とは広島呉南工業のエース待宮栄吉であった。彼もまた偶然、洋南大学に入学していたのだ。そんな話をしていると漆世は思い付いたように




『あっ♪何なら今日の夕御飯、靖友君達も誘いましょうよ♪』

荒北「ん?」

金城「そうだな。折角こうしてチームメイトになれたんだしな?」

『ねぇ靖友君♪今日の夕御飯家で一緒に食べない?なんなら泊まって行く?そうよ♪そうしましょ♪』

荒北「えっ?良いのォ?」

『勿論よ♪今日は真ちゃんの焼きそばだしね?皆で食べた方が美味しいわ♪栄吉君にも声をかけましょ♪』








そう楽しそうに話す漆世だが入学当初はインターハイでの事があり待宮を嫌っていた。確かに待宮がした事は許されることではないが落ち込む待宮を見ると手を差し伸べずにはいられなかった。待宮に金城はあの事をちゃんと謝れば漆世は許してくれると教えると待宮は金城と荒北に付き添ってもらい漆世に謝ると









『…………頬っぺたを出しなさい。』

待宮「えっ?」



「「………………;」」



何が起こるか解った荒北と金城はご愁傷さまと思った。そして次の瞬間、バチンッ!!と良い音が響くと漆世の手は降り下ろされていた。そう漆世によって待宮は頬にビンタをされたのだ。





待宮「っ───────………;」


『これでチャラにしてあげる。はぁー……まったく!!女の子の胸を触るなんて最低よ?彼女ならまだしも……私、付き合ったこと無いのに…思い出しても腹立たしいわ!?でもチャラにするって決めたからあの事は忘れるわ?それと!!姫宮アナスタシア漆世です。総北高校自転車競技部のマネージャーをしてました。これからチームメイトとして宜しくね♪待宮栄吉君♪』


待宮「おっ;おぉ。こちらこそ宜しくじゃ;」









こうして二人は仲良くなり今に至るのだ。





『あっ♪それなら靖友君と栄吉君用の食器も買っときましょ♪どうせこれから良く来る機会があるだろうし。』


金城「そうだな。なら買い出しついでに買いに行こう。」


『フフっ♪なら私たちと色違いにしてお揃いにしましょうよ♪栄吉君が緑で靖友君が青♪』







楽しく会話を暫くしていると授業が終わった待宮が部室にやって来た。














待宮「1年待宮入りますけぇ。」

『お疲れ様栄吉君♪』

待宮「おぉ何じゃ?ワシ以外授業無かったんか?」

金城「たまたまな。所で待宮……今日、夕飯を家で一緒に食べないか?」

『靖友君も誘ってあるわ♪皆で食べましょうよ♪』

荒北「 待宮、用とか無いでしょ?」

待宮「ワシの予定を勝手に決めるな…まぁ用は無いけ良いがのぉ。」





じゃー決まりね♪と嬉しそうに笑う漆世に待宮と荒北は頬を染めるのだ。すると待宮が思い出したように










待宮「おっそうじゃそうじゃ!!さっきのぉ校門の方がやけに騒がしいけん見に行ったら外人の偉いイケメンがおって女子がむらがっとったわ。何やら人を探しとったみたいじゃ。」




荒北「イケメン?けっ……興味ねーな。」

待宮「まぁそうなんじゃがその外人、綺麗な銀髪に漆世みたいな綺麗な蒼い目をしとってな?何処か漆世に似てる美人じゃったけ。」

『「えっ?」』




待宮の言葉に金城と漆世は驚いた声をだし次の瞬間には部室を飛び出した。そんな二人を荒北と待宮は慌てたように追いかけた。














━━━━━━━…………






荒北「おいっ;!!どうしたってんだヨ;!!」

待宮「何なんじゃ;!!」




『はぁはぁはぁはぁぁ;!!』

金城「漆世ッ;!!」














漆世は校門へと走る。待宮のさっきの言葉が頭から離れない…銀髪に蒼い目……何処か漆世に似てる…………まさか……そんなはずは……そう思っても確認せずには、いられなかった。でも……もし……








漆世は無我夢中に脚を進めた。そして校門も人だかりの中に頭ひとつ飛び抜けた男。その男は白銀の長い髪を高い位置で1つに縛っていた。女子達の声に混じり男性特有の低い声が混じる……その声は紛れもなく……彼のもの……漆世がずっと……ずっと探していた彼の……














『漆馬ッ;!!』





漆世の声が響く……その男に群がっていた女子達が漆世の方を向きそして







漆馬「漆世?」


『っ──────…………』




紛れもなく……ソコにいたのは正真正銘、漆世の弟の漆馬だった。





金城「漆馬ッ;!!お前今まで何処にいたんだ!!」


漆馬『真君!!久しぶり♪会いたかった♪』

二人に近付いてくる漆馬……だが




《イタリア語》




『今まで………今まで何処にいたのよ!!』

漆馬『漆世………』

『私が………私がどんな気持ちでこの1年過ごしたか貴方に解る!!毎日毎日!!帰ってこない貴方の帰りを一人で待って灯りの着いてない家に一人で帰って……一人分の食事を…作って……どんなに孤独を強いられたか!!』


漆馬『漆世……ごめん。』


『ごめん?それだけ?私に言うことはそれだけなの?他にもっと言うことがあるじゃないの!?私が毎日どんな気持ちでいたか漆馬には解るはず無い!!だって漆馬は私を一人にした張本人だもの!!置いてく側に置いていかれる側の気持ちなんか解るわけ無い!!』

漆馬『俺だって!!』

『っ────…』

漆馬『俺だって漆世の事を考えた……そしてチームの事も…このままじゃダメだって……そう思ったから俺は修行に出たんだ!!』

『だったらどうして私と話し合ってくれなかったの!!私達は家族よ!?ちゃんと話し合えば解り合えたわ!!こうもならなかった!!』


金城「落ち着け二人とも;!!」



漆世と漆馬の間に割って入る金城。すると漆世は





━━━━━バチンッ!!!!





漆馬『っ──────………;』


『顔も見たくない!!漆馬なんて大嫌いよ!!』


金城「漆世ッ;!!」





そういってその場から走り出す漆世。ギャラリーが集まってくる。金城はチッと舌打ちをすると









金城「荒北!!漆世を追え!!待宮!!ギャラリーを何とかしろ!!漆馬っ取り合えず目立つからこの場を離れるぞ;!!」

荒北待宮「「解った;!!」」






二人は金城の指示通り散ると金城は漆馬の手を引きその場を離れるが















金城「大丈夫か漆馬;………」

漆馬『真君………』

金城「Σ漆馬ッ;!!」




ポロポロと涙を流す漆馬に金城は焦る。すると漆馬は金城に抱き付き





漆馬『漆世が……;漆世が俺の事、大嫌いって;………顔も見たくないって言った;』

金城「漆馬;」




金城に抱き付きながら大泣きする漆馬を何とか慰める金城。そしてギャラリーを追い払った待宮はその光景にえっ?と声を漏らしていた。その頃、漆世と荒北は












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