*brotherS*

□★3
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『棗くん?このTシャツ借りるよ?』


棗「あ〜……;」


まだ少しグロッキーなのか具合が悪そうだ。そんな棗を立たせて洗面台に連れていき嗽をさせる。そしてベッドに運ぶとスーツの上着を脱がしネクタイを外してあげると楽になったのかさっきよりは具合が良さそうだ。





『棗くん…悪いんだけど服が無いから今日泊めて貰っても良いかしら?』


棗「あ〜…;良いぞ…;」



『クスッ♪ありがとう。棗くん…あとねスーツのまま寝たら皺だらけになっちゃうよ?』





杜琶がそう言うと無意識かズボンを脱ぎ出した棗、杜琶はバッと後ろを向き見ないようにすると脱ぎ終わったのかズボンが床に投げ捨てられる。





杜琶はそれを拾うと上着と一緒に部屋にあったファブリーズを掛けると皺にならないようにハンガーに掛ける。




以外としっかりしているのに世話が焼ける人だなと杜琶はクスクス笑っていた。ふと棗の服を着ていることを思い出す






棗の香りがする。当たり前のことだが何だかくすぐったい気持ちになる。翌々考えれば彼氏の服すら着たことがないのに…。それだけに棗のことを気に入っているのかと思った。





なーと鳴く二匹の猫の顎を撫でてやると気持ち良さそうに喉をならした。すると


棗「ん゙〜……梓、椿…煩いぞ…黙って寝てろ……」

『Σきゃっ;』




棗に手を捕まれベッドの中に引き込まれてしまった。しかもしっかりと抱き締められ……





《いやいやいや…;///流石にコレハ…》




腰に手を回され足も挟まれて逃げ場をなくす。それでも逃げようと体を捩るが棗が起きそうになってしまう。





どうしたものかとほとほと困る…だがこうやって誰かと一緒に寝るのは久しぶりだと思う。棗の体温が心地よく棗の腕が胸板が香りが…何だかとても心地よくいつのまにか杜琶もそのまま眠ってしまった。








━━━━━━…………







『ん…………』



朝、目をさますと目の前には見慣れない色が…ソレにふわふわして。ハッと思い出す…昨日は棗と飲んでそのまま棗の家に泊まって…そして




『っ────………;』



棗の顔がすぐ目の前に…棗はよほど熟睡しているのか起きる素振りがない。すると玄関をガチャガチャと開ける音が聞こえたと思ったら二人組の男性の声が聞こえてきた。




流石にこの状況はまずいとせめてベッドから抜け出そうと体を動かすと





棗「っ─……梓、椿全くお前らは…」

『Σっ;/////』



寝ぼけた棗が更に杜琶に絡み付いてきて服は上に上がってきてそれを必死に下げようと手で下にずらそうとしたのが間違いだった。完全に手を動かせない状況になり…棗の顔が杜琶の胸に押し当てられている。






《どっどうしよう;///恥ずかしくて…死んじゃいそう///》




誰でも良いからこの状況を何とかしてくれと思った矢先、さっきの二人組の男性の声が寝室のドアをガラッと勢いよく開けた。




椿「あーやっぱり寝てる♪」

梓「全く椿は…棗だって疲れてるんだよ?」

椿「えー?でもこんなに起きないなんて珍しいね?」

梓「確かに…よほど疲れてるのかな?」

椿「まぁーでも♪どーん♪」


━━━ドスッ…


『きゃっ;』



椿,梓「「………きゃ?」」





椿と梓は互いを見合うとそっと布団を退かすと







『………たっ…;///助けてください;///』



椿,梓「「ッ;////」」




布団を退かすとソコにはスヤスヤと眠る棗と正反対に顔を赤くし困った表情の可愛い女性がいた。



だがその女性は棗のTシャツを1枚着ているだけでズボンははいておらず尚且つ、棗が抱き締めているせいか服が上に上がってきて前の方は何とか手で押さえたが後ろはカバーできずに下着が見えていた。





『あっあのッ;///お見苦しい姿をさらしているのは重々承知なのですがそれでもあの…;///恥ずかしいのでそんなに見ないでください///』


椿「あっ;///ごっごめんっ;」

梓「えっと取り敢えず今、動けるようにしてあげるからね;///」


『ご迷惑をお掛けします//あのッでも棗くんは起こさないであげてください;///仕事で疲れているようなので//無理をいってすみません。』




椿と梓は彼女のその一言にひどく感心した。そして彼女を抜け出させるために棗の腕をどかそうとするが




棗「う〜ん…」


『ンっ;////』

椿,梓「「Σあっ;」」


あろうことか棗が杜琶の胸に顔を埋め左手で更に抱き寄せると右手が杜琶の胸を掴んでいた。





すると杜琶の顔がみるみるうちに真っ赤になっていきそれを見た椿と梓は急いで杜琶を救出した。






━━━━━━━…………




『ご迷惑をおかけしました…;///』

梓「いえいえ…此方こそ愚弟がとんだことをしでかしまして…」

椿「でも棗の彼女じゃないの?」

『そんなッ;とんでもないです。私なんか棗くんの彼女じゃありませんよ;』



じゃーどーしてあんなことに?と二人に聞かれ杜琶は昨日の経緯を話すと二人は可笑しそうに笑っていた。





椿「うーわー棗だっせぇ♪とんだ醜態さらしてんじゃん♪」


梓「ダメだよ椿?そんなこと言っちゃ。ソレにしてもだらしないな?」


『あのっお二人は棗くんの三つ子のご兄弟ですか?』


そう杜琶が言うと銀髪の男性が黒髪の男性の肩を組むと




椿「そうだよ♪俺が梓と棗の兄ちゃんの朝日奈椿だよ♪」

梓「始めまして朝日奈梓です。」

『漆星杜琶と言います。良かったら杜琶って呼んでください。昨日は棗君にお世話になりました。本当にそっくりですね…』


髪の色や性格は真逆とも言えるが顔は本当にそっくりだった。杜琶は目の前の二人をジーっと見つめる。何だか初めて会った気がしないのだ。





『あの…すみませんが私と何処かであったことありますか?人の顔を覚えるのは得意な方なんですけど……顔に覚えがないけど声をどこかで聞いたような……』



そう言うと二人はまた笑いだした。変なことを言っただろうか?そう杜琶が思っていると。







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