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□*ログホライズン*
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「「アレはいい女だからな(ね)」」






ウィリアムの後ろで溜め息が聞こえた。隠れていたランドールはウィリアムのおでこにキスをすると微笑みながら





『匿ってくれてありがとうウィリアム………でもどうやらあの二人から逃れるのは難関みたいだから。それにこれ以上シルバーソードに迷惑はかけられないもの。二人に捕まることにするわ?ディンクロンさんもプロメシュースさんもありがとうございました。ウィリアム……手紙は確かに渡しました。私の用事はこれまでです。さようならウィリアム。』







ランドールは、アイザックとクラスティのもとに行くとアイザックはランドールの腰を抱き寄せると





アイザック「んで?何で俺のところには来てくれなかったんだランドール?」

『だってアイザックさん…何するか解らないんだもの。』

アイザック「それは俺と何かしたいって事か?すまねぇランドール…お前がそんな風に思ってたなんて…何なら今夜…俺の部屋に来るか?」

すると今度はクラスティがアイザックからランドールを引き離し腕の中に抱き寄せると



クラスティ「そう言うことは他の女性としたらどうです?貴方ならいくらでも抱かれたいと思う女性は多いでしょ。だがランドールはダメだ。彼女は私のモノです。」

アイザック「それはお前の方だろクラスティ…それに俺は他の女じゃなくて…ランドールがいいんだよ。」

クラスティ「それに関しては私も…同意ですよ?」

二人に板挟みにされるランドールをシルバーソードのメンバーは気の毒に思う。当の本人は遠い目で彼方を見つめていたがはぁーっと溜め息をつくと



『想像が豊かなお二人には申し訳ありませんが…私はお二人とどうこうなるつもりはありません。』

クラスティ「それは今はと言うことでしょう……時が経てば気持ちは変わる…そうでしょ?」

『本当に前向きと言いますか……ですがその意見は好ましいです。私もそう思う節はありますから。でも!!だからと言ってよそ様のギルドでこう言うことをするのは止めてください!!二人とも離して!!』


アイザック「はははっ恥ずかしがるなよランドール…そんなお前も可愛いがな♪」
クラスティ「やはり嫌がる顔もそそりますね?」

『っ───………;助けてウィリアム!!』



咄嗟に助けて求め手を伸ばしてしまった。ウィリアムは何故だか解らないがその手をとりランドールを抱き寄せていた。






ウィル「大の大人が女を困らせてんじゃねーよ。大体うちでやるんじゃねー迷惑だ。」

『ごめんなさいウィリアム……二人とも…これ以上は止めてください。はぁ……全く、手紙を渡しに来ただけなのに何故貴方達は何時も何時も……私が謝りますから今日は一緒に帰ってください。シルバーソードの皆さん本当にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。ウィリアム……ではまた。』








ランドールは二人のもとに行くと何故か急にアイザックとクラスティがランドールの耳を塞ぐと







「「ランドールに惚れるなよ?(惚れては駄目ですからね?)」」

『?』







────────…………













シロエが手紙を出したギルドマスターは嬉しいことに全員参加してくれた。シロエがこの機会を設けたのはアキバの自治体を作るため、円卓会議の設立のためだ。本当にシロエは面白いと思う。だが戦闘系ギルドのシルバーソードは席を立ってしまった。だがそれも予想の範囲いない。そしてこの会議の裏でシロエはハーメンルに捕まっていた初心者達の救出も行っていた。円卓会議の設立も成功させ、救出作戦も成功させ……本当にシロエは凄いとランドールは心の底から思った。

















それからクレセントムーンの秘密を明かし、アキバの町に平和が訪れた。きっと最初は誰もがバカにしただろう。だがそんなバカにされることをシロエは本当に現実にして見せたのだ。誰もができるはずがないと思ったことを……シロエ達、ログホライズンはホームを買った。アキバの中心街からは少しは慣れた物件だが格安で手に入った。今は皆で家の改装などを行っていた。床を磨き壁を取り付けドアをつけ……皆が集まる場所の家具はランドールが調達し、各自の部屋は好きにやっていた。ランドールは動きやすさからシロエの部屋の隣が自室になっていた。寝具に本棚、大きめのテーブル必要最低限の物しか置かない主義のランドールは実用的な部屋になった。だが皆が集まる場所はそう言うわけではなく明るい雰囲気の物が良いとそれで揃えた。













アキバは変わった………それは日に日に解ることだ。技術開発が進み嫌な空気に包まれたあの感じも無くなってきた。活気に溢れ…笑顔が増えた。これは全てシロエがやったことだと思うと自然と笑みが溢れてきた。今日も彼は仕事に終われているのだろう、 そう思いランドールは土産を買ってホームへ向かった。
















案の定、書類のやまに囲まれていたシロエ。ランドールの存在にも気が付かなかった。溜め息をつくと背後からシロエに抱きつく






シロエ「Σうわぁっ;!!」

『シーロエ……少し休憩しよ?』





ランドールの柔らかい胸がシロエの後頭部に当たり頭の上にはランドール顎が乗っかる。



シロエ「ちょっランドール;///今は…」
『そう言ってシロエは休まないでしょ?私がシロとお茶したいの、休憩したいの。だから私と休むの!?ほらっ♪お土産にドーナッツ買ってきたから……』




ランドールには敵わないと言いたげに書類との格闘を諦めるシロエにランドールは、満足そうに微笑むとお茶とドーナッツを食べ始める。





『「おいしー♪」』



ドーナッツを一口食べれば甘い香りが広がりとても美味しかった。





『やっぱり疲れたときには甘いものよね?』

シロエ「はぁー美味しい……でもドーナッツって高いんじゃないの?」

『頑張っているシロに細やかなご褒美よ♪あとお願いがあって来たの……今日…いいかな?』


シロエ「ランドール………うん。良いよ。」




シロエの答えを聞くとランドールは嬉しそうに笑った。シロエはランドールの笑った顔がすごく好きだ。見ているこっちまで幸せな気分になるし、安心する。心が不思議と休まるのだ。夜になるとランドールはシロエの部屋に行き一緒にベッドに入る。とある事件をきっかけにランドールは一人で眠るのが怖くなってしまっていた。誰かと一緒でないと眠れないのだ。そんなランドールをシロエは助けてくれた…そしていつか克服できるその時まで傍にいてくれると言ってくれた大切な人だ。
そんなシロエに抱き付きながらランドールは深い眠りへとつくシロエの香りは好きだ……シロエの体温は好きだ。彼と言う人間がとても好きだ。シロエは私を救ってくれたから。














────────…………




目を覚ますと目の前には何時ものようにシロエがいた。まだ眠っている彼はコンプレックスだと言っていた3拍眼も目を瞑っているため、少し幼さが残る寝顔は可愛らしいとさえ思えた。ランドールはシロエが起きるまでその寝顔を見ているのが何時もの日課でシロエは起きるとランドールをそっと抱き締めおはようと照れたように笑い言うのだ。そんなシロエをランドールは抱き締め返すとおはようと言う、一旦部屋に戻り着替えると皆と朝食を食べる…そんな事の繰り返しだった。








時は経ち、自由都市イースタルから召還状が円卓会議へと来た。内容は貴族の位を与えるとのことだった。シロエ達、円卓会議はこの誘いを受けることにし代表メンバーは産業系からミチタカ、情報収集としてシロエ、そして円卓会議代表のクラスティが選ばれた。日程が新人合宿と丸かぶりでそちらの引率にはマリエール、各ギルドから責任者を出し2手に別れる形になった。勿論、アキバにも残るメンバーはいる。シロエ達、ログホライズンも2手に別れ新人の引率ににゃん太、直継。イースタルにシロエ、アカツキ、ランドールが行くことになった。勿論、ランドールはシロエと共に情報収集として同行する。そしてシロエ達は同行者数十名でイースタルに向かい、大地人の動向探ることにした。












──────……………








『っ──────……………』




それはまさに幻想的な光景だった。城を氷が覆うその風景は光輝き、ダイヤモンドの結晶のように輝いていた。息を飲む美しさ…まさにその一言だった。円卓会議のメンバーは城内に案内され、自由都市イースタルの城主に面会することになった。代表のクラスティが話し合い、ランドール達はその後ろで会談を見ていた。








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