*弱虫ペダル*
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1年生レース後、坂道の走りを見た巻島はとても興奮していた。
今、部室には漆世と巻島、金城がいた。
巻島「見たッショ金城!!漆世!!アイツ……小野田はクライマーッショ!!アイツは育てたら良い逸材になるッショ!!」
金城「そうはしゃぐな巻島。」
『あら真ちゃん?祐ちゃんのはしゃぎたくなる気持ちも解るわよ♪だって坂道君……初心者で山岳ステージを取ったのよ♪』
巻島「漆世っ!!漆世の言ってた面白いことって小野田の事ッショ!!」
金城「お前は凄いな……その目には小野田の才能が見えていたのか?」
『あら?真ちゃんも祐ちゃんも買い被りすぎよ♪私はただ……坂道君が自転車部に入ったら面白いだろうなって思っただけよ♪』
巻島「またまた……こうなる事…予測してなかったとは言わせないッショ…」
そう言う巻島に漆世は妖艶に微笑むだけだった。
『あの子はきっと素晴らしいクライマーになるわ……そうハイケイデンスクライマーに………でもねあぁいう子って育ての親が肝心なのよ♪でもきっと純粋で素直な分……祐ちゃんの期待以上の成長を見せるはず…』
巻島「漆世……」
私は彼にその可能性を見てしまったのよ…
━━━━━━━━━…………
今日は千葉県の代表を選ぶインターハイ予選の日だ。漆世は予選のサポーターとして巻島、田所、金城と共に会場に来ていた。
『Bel tempo♪絶好の自転車日よりね♪』
田所「そうだなっ!!こう言う日は自転車で汗かくのが一番だなっ!!」
巻島「あーにしても……結構来てるッショ……偵察…」
金城「そうだな。」
会場には各県の偵察らしき人達がちらほらと見えた。
『そうね……あの子達を連れてこなくて正解ね。でも……なにも言わずに来て良かったの?きっと怒ってるわよ?』
金城「良いんだ……アイツらの事を見せてやる必要はないからな…」
そう言う金城に漆世はぎゅーっと抱きつくと
『真ちゃんは後輩想いね♪その意見には賛成よ……あの子達のデータを取らせる必要なんてない…それに千葉の代表は私達が貰うんですから♪』
巻島「油断は禁物ッショ…」
田所「なんだ巻島!?弱腰じゃねーかっ!?俺は負ける気なんかさらさらねーぞ?」
『俺じゃないでしょ?迅ちゃん…私達はよ!こんなところで負けるような練習はしてない。私達には全国制覇の…夢があるんですから。』
そう言い強い瞳で三人を見る漆世に金城達は笑いながら頭をなで
金城「俺たちは負けない…絶対にな…」
━━━━━━━━━……………
そうしてレースは始まった。漆世は一人ボトルの補給などの準備やもしもの時の為にスタート付近で待機していた。
レースが始まり暫く経ち、レースは8周目、残り2周でゴールの時、見覚えのある3人が見学客の中に入っていくのが見えた。
『あの子達……全く…でも…まぁ来ちゃうわよね♪』
そう呟くと漆世はその3人の元にゆっくり歩いて向かった。
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坂道「せっ;先輩達は……;?」
鳴子「負けとるんか;?もう8周やで;!?残り2周やん;何やっとんや田所のオッサン;!!っ───……来たっっ;!!」
鳴子達の視線の先には金城、巻島、田所の3人が平足して走っていた。
鳴子「オッサン;!!昨日の気合いはどないした!!先頭に50秒以上差ぁついとるで;!!」
田所「へっ…♪よーく見とけ……──────」
オラオラオラオラー!!っと気合いを入れた田所が3人の先頭を走りを引いていた。田所は3人の前を通り過ぎる時に3人に向かってあることをいった。
鳴子「オッサン……;最後になんつった;…見とけのあと…」
今泉「っ────………トップに1分差を付けてゴールすると;……」
鳴子・坂道「「────…………;」」
3人はその発言に驚いていると坂道の背後からゆっくりと忍び寄る影……そして
『わっ♪』
坂道「Σひぃっー;!!!」
鳴子「Σなんやっ;!!」
今泉「Σうわっ;!!」
『クスクスっ♪こーら!?3人ともサボりは駄目よ♪』
坂道「姫先輩っ;///」
鳴子「姫先輩;!!今、田所のオッサンが;!!」
今泉「……………;」
『あら?信じてないの?』
坂道「でもトップとの差が50秒も付いてて;!!」
『そんなの差何て言わないわ?千葉の代表は私達、総北よ。彼らが1分差を付けると言ったのよ……だから絶対、1分差を付けてゴールするのよ。』
坂道「姫先輩……」
そうして総北は金城を先頭に1位でゴールした。そしてトップだった柏木と1分差を付けてゴールしたのだ。
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ゴールし、表彰された3人が1年3人に何かを話しているなか、漆世は一人小走りしながら会場を走り回っていた。どの県の高校が偵察に来ているのかを……
『あら?…………全く…嫌な所が来てるわね…………京都伏見…』
私は彼等と共に走る事は出来ない……でも私は彼等の力になりたい。だから私は私の出来ることで彼等の力になるんだ。
『今回は………絶対に負けないわ……私達が王者になるのよ。』
end*