*弱虫ペダル*

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「楽しそうですね……その遊び僕も混ぜてもらっていいですか?」





急に声をかけられ後ろを振り向くとそこには箱根学園のジャージを着た選手がいた。





泉田「2年の泉田塔一郎と言いますボク……神奈川の最速屋とも呼ばれてます。」

田所「来たか……やはり箱根学園のスプリンター」

鳴子「後から猛追してきよる元気なのがおる思ったらハコガクさんかいっ!!」

泉田「今のボクにとってアレは大したことなかったですよ。」

















『今回のリザルト…トップ争いはウチとハコガク…翔君はゴールで仕掛けるつもりね。』

















鳴子が泉田に仕掛けようとした瞬間それを田所が止めた。田所は泉田に何でジャージを閉めないかと聞いた。そして田所は泉田に実力と成績が伴わない事を聞く。その問いに泉田は本番だから明かそうと言った。







泉田「調整をしていたんです。」






ピークをインターハイにもってくるために休み中に十分栄養をとり春先から徐々に絞りピークを夏に合わせる。そう言う大きなスパンで絞り込みをやっていたからレースでは大した成績は出していない。ブクブクについた脂肪が徐々にとれていく。筋肉が産声をあげて脂肪を押し上げる。体の感覚がどんどん研ぎ澄まされて軽くなっていく過程は……自分が筋肉の槍と化す。無駄を省いて絞って削って磨いてボク自身が筋肉になる。










話が終ると泉田は走り出した。ゼロからの一気に加速、少し反応が遅れて田所、鳴子がさせるかと走り出した。だが走っても差が縮まらない。残り2qすると泉田が







泉田「そうだ……さっきの質問1つ答え忘れていましたね?閉めますよジッパー……本気の時はね?でも今回は閉めなくてもイケそうだ。」








縮まない距離に焦るかと思いきや思いの外冷静だ。まだ二人で話す元気がある。だが泉田もまだ加速する…早い…さすがハコガクのスプリンター。










残り1q、泉田は何故二人いるのに協力しないのかと聞く。この先は条件が代わり防風林がなくなり強風区間になる。







泉田「貴女方はスプリンター失格だ。」




二人にかくし玉はあるかと聞くが二人は無いと答える。その答えを聞くと泉田は仕掛けてきた。まだ加速する泉田に二人は驚く、風をものともしないその姿勢、バネのような背筋に






残り800をきる、少しずつだがまた離される。何とかしないとと騒ぐ二人、何か良い案があるなら出した方が良いと…だが二人はそれよりも






「「負けるのはもっとない!!」」







鳴子はドリンクを捨て髪をオールバックにし上着をズボンに入れ風の抵抗を出来る限りの減らす。



鳴子「風の抵抗をとことんまで減らして軽くしてゴールまで一直線!!見さらせこいつが!!ロケットマン鳴子のロケットスプリントスタイルや!!」






一気に加速し泉田を追いかける鳴子そして








田所「1年や2年にファーストリザルトとられたとあっちゃあ3年のメンツが立たねぇ!!最後までとっときたかったんだがなコレは……!!俺の…単なる列車は風避けだと思うなよ…俺のこの胸板の厚みは骨と筋肉とそして巨大な肺だ!!」





田所は肺に大量の酸素をいれるとそのまま加速一気に詰めにかかる。







泉田「ボクはあなた方を過小評価してました。あなた達はすばらしいスプリンターでした!!すみませんでした。敬服しますよ二人の意地とその実力にだから残りポイントラインまで400メートル……本気でいきます。」






そうして泉田はジッパーを上げた。












━━━━━━━━………










漆世は一人、イヤホンから聞こえてくるリザルトに笑みをこぼす。
ファーストリザルトは、田所が獲った。二位に鳴子、三位に泉田。








泉田は確かに強い…それこそ二人よりも強いだろう。だが彼は知らなすぎるのだ。勝ちと負けを…






『坂道君……きっと先頭で焦ってるわね♪』





次は箱根の山岳区間、クライマーの仕事場だ。彼には頑張って皆を引いてもらわないと……巻島のためにも。でも少し…引っ掛かる…何かこう…嫌な感じが。巻島と同じで漆世のこう言った勘もよく当たる。悪いことが起きなければ良い…そう思いながら漆世は走っていた。












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