+
Real
◆ 友達以上兄未満?あるいは。(相馬+山田)
ドンッと鈍い音が背筋を伝って耳に届く。
反射的に「いっ!」という声が漏れた。
ウエストに巻かれた腕を引き剥がそうとしたが、なかなかどうして、これがかなりの怪力で巻き付いている。
「山田さん」
「正解です相馬さん!見てないのに山田がわかるなんてさすがお兄ちゃんです…!」
「はいはい。何かあったなら聞いてあげるから離してね」
正面に回り込んできた山田はきらっきらと目を輝かせながら、褒めてください!と言い出した。
「今日山田、まだ一枚しかお皿を割っていません!妹の成長は相馬さんも嬉しいはず!だって相馬さんは山田のお兄ちゃんだから!」
「あーそうだねー。確かに今日は小鳥遊君にバレずに始末した皿の枚数を混ぜてもいつもより割ってないね。良くできましたぁ♪」
「ぎくっ!そ、んなとこは見てなくていいんです!おお、お、お兄ちゃんなんですから」
「あのさ、山田さん。俺は山田さんのお兄ちゃんじゃないよ。だからあんまり抱きついたりしない方がいいと思うな。だってほら、山田さんも一応女の子なんだし」
「山田を捨てる気ですか…!?山田は相馬さんを兄と慕ってるのに」
「じゃあさ、桐…本当のお兄さんにも抱きつくの?」
「絶対ごめんで…は!本当のお兄さんって何のことですか…;山田のお兄ちゃんは相馬さんだけです」
「本当のお兄さんには抱きつかないなら、俺は何なんだろうねー?」
すると山田は半泣きでまたしても腰にしがみついてくる。
「難しいこと言って逃げようとしても駄目ですからね!山田は相馬さんになついてるんです!」
「難しくないけど;…寂しいのに帰らないって頑張っちゃうなんて…はあ困った妹だね」
「…!はいっ!困った妹です!でもお皿のことはとりあえず褒めてください。山田、褒められて伸びる子です」
「……あーはいはい」
end
2011/11/28(Mon) 02:03
[コメント書込]
[戻る]
[TOPへ]
[カスタマイズ]