DREAM
□REBORN番外
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「…え」
何この展開。
目の前には…カエル?
今日は祝日で、平日なのに学校は休みだった。
人気のない朝は好きだ。
特に予定もないので(もしかしたら風紀委員は仕事があるのかもしれないが、私は知らない)、一人のどかな並盛を散歩することにした。
河川敷に向かって住宅街をゆったり歩いていると、ここ最近聞き慣れた複数の声。
馬鹿騒ぎは苦手だが、ちょっと挨拶でもしておこうかなと、角を曲がったときだった。
ボフンッ
「ひとに当たったー!!?」
瞬間、例え難い衝撃と共に真っ白な視界と目眩。
少し遠くで、叫ぶような沢田綱吉の突っ込みが聞こえた。
「…と、いうワケです」
「実在したんですね、アレって」
軽い回想を挟んだが、なんてことはない。
私はカエル帽子の彼―フランにただ「10年バズーカをくらった」と言った。
意外にも新人ヴァリアー幹部は詳細を知らなかったらしく、そういえばミルフィオーレでも都市伝説というか、一部しかその存在を知らないとかなってたなーと思い、それではと説明してやった。
「ヴァリアーもボンゴレでしょーに、意外だわ」
「ミーは新人なんです。前任のマーモンさんが死んじゃったんで、埋め合わせに入ったばっかりなんですー」
「(知ってるけどさ)」
既に出されていた紅茶(たぶん10年後の私用だろう)を、勝手に頂く。
正面のフラン君は、不貞腐れたように、他のひとはどーだか知らないですけどねーと言った。
ヤベェ可愛い…
「そういえば、この時代の私はなんでここに?」
今更だけど、と付け加えれば、カエル少年は本当に今更ですねと返しやがった。
「調べ物ですよ。マーモンさんの残した資料解析を、ミーに手伝ってくれと押し付けてきたんです」
「…へぇ」
なんだかフラン君の言葉の刺含有量が増えてきた気がする。
痛いよ、視線が痛い。
仲、悪いのだろうか。
確かに、目の前のテーブルには何かの資料らしき書類と、小さな道具のような物が数個転がっていた。
残念ながら書類は恐らくイタリア語で、少なくとも今の私にはサッパリだ。
でも、と先程からこれでもかというほと私を見詰めていたフランは、視線をずらして資料に移した。
「珍しいモノ見れたし、結果オーライです」
「せ、先輩!良かった戻ってきた!すみません!ランボが…」
「…ツンデレかっ!」
「ええ!?」
あの直後戻った現代では、何の話!?10年後にいったい何が!?というツナの叫び声が、休日の住宅街に響いてた。