長編小説

□月と太陽《後編》
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「…37.5分、あかね、今日は学校休みなさいね」
かすみお姉ちゃんが体温計を見つめて言った。
雨の中、小一時間ずっといたのだから、当然だろう。
喉が痛い。
頭が痛い。

…胸が痛い…。


アタシは瞼を伏せた。
窓から注ぐ爽やかな朝の光ですら、うっとうしく感じられた。

「あかね、大丈夫?」
なびきお姉ちゃんが、ノックしながら入ってきた。
「ちょっとダルくて…午後からなら出られそうだけど…」
「昨日あんだけ雨にうたれれば風邪もひくわよ」
「やだ、見てたのっ」
なびきお姉ちゃんの言葉に、アタシは恥ずかしくて布団を頭から被った。
「あかね、帰りにお土産用意してあげるから、今日は1日休んでなさい」

「ありがとう…アタシ、チョコ系がいい」
「結構元気じゃないの、分かったわ」
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