月の夢

□第一章【月夜の誘い】
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【※知盛視点】



突然光の中から現れた女


闇夜に溶け込むような漆黒の髪、そこに浮かび上がる白い肌…そして血のように赤く濡れた唇――


今は伏せられて見ることができないその瞳はどのような光を宿しているのか…


知盛は体中の血が騒ぐのを感じた


(クッ…何やら退屈せずに済みそうだ、な)


妖の類いかそれとも…


何にせよ自分を楽しませてくれるものならば何者だろうと構わない



(…早くその瞳に俺を映せよ…)
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