想い。

□帰ってきたよ。
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少し前の話。

私は私が嫌いでした。
どうしようもない悪党だったからです。

あ、別に悪さをしていたわけではなく。

いろんなことを絶望し、色んな人を傷付けたのです。

若さゆえです。

私はそんな私が大嫌いでした。

なので今では多少改善されたと思います。

いや。

当時を知ってるかたから見たら凄い変貌ぶりかもしれません。

とにかく変わりました。

でも。

多分それは私じゃないんです。

あの頃は素直に笑えた事も。

今では霧がかって見えます。

と言うか。

あの頃の方が私の世界は広かった気がします。

なので。

これからの課題。



自己修復。



「彼は何を一人語っているのですか?」

「え?あぁ。あれはとっくに壊れているよ。」

「コワレル?」

「えぇ。人も壊れるときは壊れるんですよ。」

「そうですか。機械と同じですか?」

「いやー。人はなかなか治らないから、機械の方が都合がいいよ。」

「都合がいい?」

「そう。君たちはとても役に立つと言うことさ。」

「本当ですか?」

「もちろん。」


「ありがとうございます。」


彼の微笑みは人間らしかった。

ただ一つの欠点は…


「冷たいもんな。」


人は一肌恋しがる。



都合が良いのは心がいつも置き去りだから。

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